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No,32・・・市内の地名・水子地区

最終更新日:2019年1月25日

打越

この地名は全国的に多い地名です。関東だけでも八王子市、横浜市、袖ケ浦市、嵐山町にあり、そのほかにも愛知県みよし市、岐阜県岐阜市、石川県小松市・加賀市、大阪府門真市、京都府京都市、熊本県熊本市など各地で見受けられます。その読み方は「うちこし」あるいは「おっこし」と読むものがほとんどです。文字は「打越」のほかに「押越」「追越」「乙越」「乗越」などと表記するところがあります。地形的な意味を持つと思われ、山・丘陵を越した向こう側にある地域を指す場合が多く、本市の場合は富士見江川やその支流により刻まれた谷を越えたところにある地域を指していると考えられます。

信仰に由来する地名

市内には、神社や寺、塚、石造物などにまつわる地名が数多くあります。水子地区には「氷川前」「観音前」「地蔵山」「猿塚」などの地名が見られ、氷川前には氷川社、観音前には観音堂があります。地蔵山にはかつて塚上に宝永2年と刻まれた地蔵尊があり、この地蔵尊は現在は大應寺境内に移されています。猿塚は庚申信仰に由来するものと考えられ、市内にも多数建てられた庚申塔の存在からきたものと思われます。このほかにも市内には「薬師前」「天神前」「八幡脇」「宮坂通」など信仰と関係のある地名が付けられており、そこに住んだ人々の信仰への関心の深さを感じることができます。

地蔵尊
地蔵山にあった地蔵尊

氷川社
氷川前にある氷川社


地形に由来する地名

地名の由来で一般的なものとして、地形や景観を表したものがあり、水子地域では「栗谷ツ」「谷ツ合」「山崎」「前沼」などがあります。谷ツは丘陵地が浸食された谷地形のことを指し、「谷戸」「谷津」「谷地」などとも呼ばれます。「山崎」は現在の山崎公園(せせらぎ菖蒲園)のある周辺地域ですが、地形的に江川沿いに広がる低地に半島状に突き出していることから丘陵の先端部分という意味でこの地名がついたのでしょう。「前沼」は現在の水谷東2丁目の前沼公園周辺で、水田が広がっています。『新編武蔵風土記稿』には「前沼池」と記されており、湿地であったことがうかがえます。ほかにも市内には山や谷、沼、窪などを冠した地名が数多く見受けられ、起伏に富んだ地形であることがよく分かります。

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