令和8年度施政方針
最終更新日:2026年2月17日
施政方針とは、市政運営にあたり、市長の市政運営に対する基本的な考え方や予算案及び主要な施策について述べたものです。
令和8年度施政方針(令和8年2月17日)
本日ここに、令和8年第1回富士見市議会定例会が開催され、令和8年度一般会計予算をはじめ、市政の関連議案についてご審議をお願いするにあたり、私の市政に対する基本方針と施策の概要を申し上げ、議員各位並びに市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
1 はじめに
昭和100年という大きな節目を迎えた昨年は、憲政史上初となる女性総理大臣の誕生を始めとして、大阪・関西万博、東京2025世界陸上、東京2025デフリンピックなど、国際的なイベントが国内で開催される歴史的な1年となりました。
大相撲においては、「豊昇龍関」と「大の里関」が横綱に、ウクライナ出身の「安青錦関」が大関に昇進し、将棋界においては、藤井聡太六冠が「永世竜王」の資格を獲得しました。科学の分野におきましては、坂口 志文氏と北川進氏が、日本人として10年振りとなるノーベル賞の同年ダブル受賞という栄誉に輝くなど、各界においても喜ばしい出来事が多い1年でありました。
経済面におきましては、アメリカのトランプ政権による関税政策等の影響で、日経平均株価が3万円台に下落した一方、10月には5万円の大台を突破するなど、変動の大きな年となりました。
また、春闘では、5パーセントを超える賃上げが実現されましたが、米価格の高騰をはじめとする物価上昇に賃上げが追いつかない、実質賃金のマイナスが続き、家計にとっては苦しい1年であったとも感じております。
政治面におきましては、責任ある積極財政を掲げた高市内閣の発足により、生活者や事業者に対する物価高対策として、物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金が盛り込まれた補正予算が可決されました。本補正予算の成立を受け、全ての市民の皆様への現金給付や、学校給食費の支援など、広く速やかに届けられるよう、本定例会に予算案を提出させていただきました。
さて、本市を振り返ってみますと、昨年は、第6次基本構想・第1期基本計画の最終年として、第2期基本計画につながる取組を着実に進めるとともに、新たな施策にも積極的に取り組んでまいりました。基本計画の各分野にも位置付けているSDGsをさらに推進していくため、内閣府によるSDGs未来都市への選定を契機に立ち上げた、価値共創プラットフォーム「SDGsフジミライテラス」による取組を具現化することができました。5月には、ふじみ野エリアの魅力的な店舗などが集い、地域住民とつながる「まちづくり」をコンセプトとした「ふじみのMACHIfes2025」のイベントに、SDGsマルシェとして、教育や地域経済、自然環境などの分野でPRブースを出展いたしました。
12月には、県立富士見高校においてキャリア教育事業を行い、人生や将来の仕事など、自分の未来について考える機会を提供いたしました。多くのステークホルダーとの協働による取組を通じて、持続可能なまちづくりに向けた、新たな一歩を踏み出すことができました。
国際的なイベントに関連した事業といたしまして、手話言語条例制定10年の節目を迎える中、東京2025デフリンピックに出場した、セルビア共和国デフハンドボール代表チームの事前キャンプを実施いたしました。選手の皆さんと、諏訪小学校の児童や富士見聴覚障害者の会の皆さんが交流できる場を設け、国やコミュニケーションの垣根を超えた絆を育むことができました。
このほか、大阪・関西万博の終了後には、セルビア共和国シャバツ市と本市の姉妹都市提携の御縁から、セルビア共和国パビリオンのシンボルツリーである「アオダモの木」が、本市に移植されました。このシンボルツリーは、万博のレガシーとして市民の皆様の記憶に残るよう、市民文化会館キラリ☆ふじみの敷地内に植樹いたしました。
市役所新庁舎整備につきましては、建物のレイアウトや概算事業費などの基本設計の概要について、市民説明会を開催するなど、基本設計の完了に向けて取組を進めてまいりました。いよいよ本年は、第6次基本構想・第2期基本計画のスタートの年となります。第2期基本計画は、第1期基本計画の課題を解消しつつ、より実効性のある計画とすることや、社会情勢の変化を捉えた計画へ深化を図るという点を重視しながら、私の政策方針である「ふじみ☆ビジョン30+3rdStep」を踏まえ、策定したものでございます。策定にあたりましては、各分野の5年後の目指す姿と、それを達成するための新たな施策や取組を検討してまいりました。理想の未来を実現するため、本計画を確実に実行してまいります。
2 令和8年度の市政運営の方針
今年は、私の市長就任10年という節目を迎えます。振り返りますと、登庁初日から大型台風による災害対応の指揮にあたったことは、今でも鮮明に記憶しております。
その後も新型コロナウイルス感染症の拡大における様々な対策に取り組むなど、常に11万3千人の市民の皆様の先頭に立ち、誰もが安全で安心な生活を送れることを第一に考え、市政運営に取り組んでまいりました。一方で、選ばれるまちとして、子育て支援の推進、STEM教育をはじめとした学校教育の充実、誰一人取り残さない共生社会実現の推進、市の成長のエンジンとなる産業団地の誘致、スマートシティへの転換に向けたデジタルトランスフォーメーションの推進など、本市の成長に着実に取り組んでまいりました。市長就任10年目となる本年、十二支では午年にあたります。馬は神様の乗り物として、願い事を神に届ける聖なる動物とされ、「前進・活力・飛躍」の象徴であり、何事も「ウマくいく」に通じることから縁起が良いものとされております。
「万馬奔騰」という言葉がございます。この言葉は、一万頭の馬が勢いよく走り、跳ねる様子を表し、物事が力強く進展することを意味します。「万馬奔騰」の勢いで第2期基本計画のスタートを切り、理想の未来実現に向け、本市のさらなる飛躍と発展を目指してまいります。職員一人ひとりが持つ能力を存分に発揮し、一丸となって目標に向かって邁進し、第6次基本構想で定めた理想の未来である「充実した日々」を創り上げていくため、次の3つの方針をもって令和8年度の市政運営を行ってまいります。
(1) シティプロモーションと連携した活気と賑わいの創出
まちに活気と賑わいを創出するためには、SNSやホームページなど、様々なコンテンツで市の魅力を継続的に発信していくことが重要となります。情報発信力をさらに強化するため、組織改正により、シティプロモーションと広報の機能を統合し、これまで以上に本市の魅力を発信してまいります。
市の魅力の発信や、ふるさと納税の返礼品など、特産品のプロモーションを行うことで、地域への愛着を深めるとともに、関係人口の創出や移住者誘致につなげてまいります。賑わいの好循環をつくり出すため、今後の成長のエンジンとなる、富士見上南畑地区産業団地への進出企業と市内事業者との新たな連携など、多様な事業者相互のつながりを創出し、本市の発展につなげてまいります。
全国的に人口が減少している中、本市におきましては、これまでの様々な施策やシティプロモーションの効果により、人口の微増傾向が続いております。今後におきましても、将来にわたり人口10万人を維持していくことを目指し、新たなシティプロモーション戦略のもと、効果的な施策に取り組んでまいります。
(2)安全で安心かつ持続可能なまちづくり
まちづくりの基本は、市民の皆様が安全で安心な日常生活を送ることができる環境をつくることです。
昨年1月に発生しました八潮市での道路陥没事故を教訓に、下水道施設だけでなく、道路・橋梁などを含め、すべてのインフラ施設の計画的な整備と適切な維持管理を着実に実施してまいります。首都直下地震について、政府の中央防災会議の作業部会から新たな被害想定が公表されました。この想定におきましても、改めて、延焼しやすい木造住宅密集市街地を解消していくことが課題であるとされております。本市におきましては、令和6年能登半島地震を契機に、木造住宅密集市街地における対策について検討を始めており、第2期基本計画に、「燃えないまちづくりの推進」を位置付け、計画的に対策を推進してまいります。
また、これからのまちづくりにおいては、少子高齢化の進展や将来的な人口減少、道路など都市基盤の老朽化のほか、環境負荷の低減や災害に強いコンパクトなまちづくりなど、様々な課題に対応する長期的な視点が求められます。将来を見据えたまちづくりを行うため、都市全体を見渡したマスタープランである立地適正化計画の策定に着手し、安全安心で、持続可能なまちづくりの検討を進めてまいります。
(3)改革・改善の実感
これまで本市におきましては、少子高齢化の進展や人口減少など、社会情勢の変化に対応し、安定した市政運営を行うため、スマート自治体への転換に向け、ICTの積極的な活用や公共施設の最適化に取り組む公共施設マネジメントを検討してまいりました。デジタルトランスフォーメーション、いわゆるDXの効果を市民の皆様に還元するため、市役所窓口にキオスク端末を導入するほか、納税の電子化を進め、「行かない窓口」の普及に努めてまいります。
公共施設マネジメントにおきましては、公共施設個別施設計画第1期実行計画の見直しを図り、市役所新庁舎整備をはじめとした、シティゾーンCゾーンに係る複数の再編プランを「みらいCプロジェクト」として取りまとめ、一体的に再整備を進めていく予定としております。市民サービスの維持・向上の視点を踏まえつつ、安全で持続可能な施設運営に資する計画を作成してまいります。日々変化する市民ニーズを的確に捉え、将来を見据えながら、改革・改善に取り組み、その効果を市民の皆様に実感していただけるよう、市政運営を推進してまいります。
3 施策の概要
只今申し上げました3つの方針に基づいた主な取組を、第6次基本構想・第2期基本計画で定める分野に沿ってご説明いたします。
(1) 子ども・子育て支援、学校教育
はじめに、子ども・子育て支援及び学校教育の分野について、ご説明いたします。すべての1か月児が医療機関で発育発達状況の確認と疾病の早期発見ができるよう、また、保護者の不安を解消しながら安心して子育てができるよう、1か月児健診の費用を助成し、伴走型の相談支援につなげてまいります。
出産後うつや虐待を防ぎ、安心して子育てしやすい環境を整備するため、母子に対する心身のケアや育児サポートを行う産後ケアのサービスに、宿泊型メニューを追加するとともに、産婦健診費用の助成回数を増やし、母子のサポート体制を充実してまいります。保育所の待機児童の早期解消を図るため、新たな保育所の整備費用を助成することで民間保育所を誘致し、 子育て世代に選ばれるまちを目指して、保育環境のさらなる充実を図ってまいります。
公立保育所につきましては、ICTを活用した業務支援システムを導入し、保護者の皆様の利便性向上と併せ、保育所業務の効率化により、保育の質の向上に取り組んでまいります。
また、「みらいCプロジェクト」における事業の1つである、第三・第五保育所の統合整備について、令和10年度の供用開始を目標に事業を開始し、基幹型保育施設として、民間保育施設や幼稚園等との連携・交流機能を強化するとともに、障がい児・医療的ケア児に対する支援機能の拡充を目指してまいります。
さらに、第二・第四・第六の各保育所におきましては、空調機器の更新工事を実施し、乳幼児が安全で快適に保育が受けられる環境を整備してまいります。
放課後児童クラブにつきましては、諏訪第1放課後児童クラブの大規模改修工事を実施するとともに、つるせ台第1放課後児童クラブにおいて、空調機器の更新工事を実施いたします。
現在、試行実施している朝のこどもの居場所づくり事業につきましては、すべての小学校での実施に向けて順次拡大し、いわゆる「朝の小1の壁」の解消を図ってまいります。
学校教育の分野におきましては、一人一台端末を用いて児童生徒が自らの学びを深められるよう、全ての小中学校及び特別支援学校に、GIGAスクールサポーターを配置いたします。
また、教員の事務効率化に資する校務システムが更新時期を迎えることから、システムの更新に併せて保護者連絡用アプリを導入し、利便性向上を図るとともに、教員の働き方改革を推進してまいります。
学校図書館の蔵書管理に係る業務の効率化を推進するため、各学校に図書管理システムを導入いたします。学校司書による児童生徒への読み聞かせなどの時間を確保し、読書に触れる環境を整え、主体的な学びにつ1ながる取組を推進いたします。
ICTを効果的に活用することで、教育環境のさらなる充実を図り、児童生徒一人ひとりの学力向上を目指してまいります。
社会の多様化により、様々な価値観や文化の中で生きる児童生徒が、国際的な視野を広く持てるよう、小学校4年生から中学校3年生を対象に、実用英語技能検定の受験料補助を拡充し、児童生徒のさらなる英語力の向上と、目標を持って学習する意欲の向上を目指してまいります。
学校と地域住民の皆様が力を合わせて学校の運営に取り組むため、コミュニティ・スクールを市内全学校で導入し、地域と一体となって子どもたちを育む学校づくりを推進してまいります。
学校施設につきましては、西中学校において、屋内運動場の改修工事を、勝瀬中学校と水谷中学校では、校舎の長寿命化工事を実施するとともに、小・中・特別支援学校の特別教室へのエアコン設置に向けて設計を進め、児童生徒が安全で快適に学校生活を送ることができるよう、教育環境を整備してまいります。
学校給食につきましては、国の制度により小学校において無償化が開始されます。制度が適用されない中学校、特別支援学校の中等部及び高等部におきましては、児童生徒の保護者の経済的負担を軽減するため、国の物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を活用し、食材費高騰による値上げ分について支援してまいります。
(2) 地域福祉、高齢者福祉、障がい福祉、健康づくり
次に、地域福祉、高齢者福祉、障がい福祉及び健康づくりの分野について、ご説明いたします。
複雑化・複合化した市民の困りごとや制度の狭間で支援が届きにくいという問題に対応するため、重層的支援体制整備事業を活用し、行政、民間支援機関及び地域住民が協働して相談を受け止め、必要な支援につなげていく包括的な支援体制の整備を継続してまいります。
とりわけ、様々な理由により社会的に孤立しがちな方々に対しましては、社会とのつながりを取り戻すための参加支援事業に取り組んでまいります。
また、世代や属性を超えて交流できる場の充実など、地域のつながりづくりを推進することで、支え合いの基盤づくりを行ってまいります。
人生100年時代を見据え、高齢者が自立して充実した生活を送れるよう、介護予防・日常生活支援総合事業における初回訪問時のアセスメントにおいて、専門職による助言を行い、個々に適した支援につなげてまいります。
福祉的な観点から、高齢者等の移動手段の確保や生活支援を行うため、地域住民が相互に支え合える仕組みを構築し、住民団体による生活支援サービスの創設を支援してまいります。
これまで、フレイル予防に関しましては、フレイルサポーターによるフレイルチェック事業、eスポーツを活用した取組や、はつらつ教室など、多くの事業を行ってまいりました。新たな取組といたしまして、高齢者の円滑なコミュニケーションを維持し、聞こえのフレイル予防につなげるため、補聴器の購入費用の一部を助成いたします。
これまで支援の対象外であった、がん治療に起因する外見の変化に苦痛を感じられているがん患者に対し、ウィッグ等の購入費用を助成いたします。また、AYA世代のうち、18歳から39歳の終末期がん患者に対しまして、在宅療養に係る費用の一部を助成し、心や尊厳を守るための支援を行ってまいります。
複雑化・複合化した市民の困りごとや制度の狭間で支援が届きにくいという問題に対応するため、重層的支援体制整備事業を活用し、行政、民間支援機関及び地域住民が協働して相談を受け止め、必要な支援につなげていく包括的な支援体制の整備を継続してまいります。
(3) スポーツ、文化芸術・文化財、生涯学習
次に、スポーツ、文化芸術・文化財、生涯学習及び多文化共生・国際交流の分野について、ご説明いたします。
誰もが好きな時に好きなスポーツを良好な環境で楽しめるよう、新たなジャンルとしてアーバンスポーツ環境の整備に取り組んでまいります。富士見上南畑地区産業団地内の調整池底面を活用し、スケートボードやBMXなどが楽しめるよう、他自治体における先進的な取組事例の調査や利用者ニーズの把握に努めるとともに、出水期における水量調査を実施してまいります。同産業団地内に整備される、キャッチボールができる新たな公園などと併せまして、身近な場所において、様々なスポーツを安全・安心で快適に楽しむことができる環境の充実に取り組んでまいります。
文化芸術の発信拠点である、市民文化会館キラリ☆ ふじみにつきましては、誰もが安全で安心して利用できる、快適な活動環境を提供するため、大規模改修工事を継続して実施いたします。休館の期間中におきましては、市民の皆様のもとに出向くアウトリーチ事業を行い、文化芸術に触れられる機会を創出してまいります。
国指定史跡の水子貝塚公園につきましては、開園から30年以上が経過し、施設の劣化や樹木の成長による落葉など、近隣への影響が生じております。史跡を適切な状態で管理・保存し、後世に残していくとともに、観光資源や地域資源としての活用を充実し、魅力の向上を図るため、令和11年度のリニューアルオープンへ向けた再整備の実施設計を行ってまいります。
また、個人所有・管理の市指定文化財を保存するため、難波田城跡土塁を購入し、適切に保全を図ることで、歴史、文化資源を後世に引き継いでまいります。これまで、市内公共施設において取り組んできた家庭学習応援事業につきましては、家庭学習の習慣化と基礎学力の定着と併せ、安全で安心できる居場所として、小学校に会場を移して実施いたします。
戦争体験や平和の理念などを後世へつなげるため、広島平和記念式典への市民派遣など、「非核平和都市富士見市」として、平和事業の取組を継続してまいります。
本市がセルビア共和国シャバツ市と姉妹都市を提携していることを活かし、さらなる国際交流を推進してまいります。
子どもたちのグローバルな感覚を養うため、セルビア共和国大使館ツアーを行い、将来を担う人材が多文化への理解を深めることのできる機会を提供いたします。また、シャバツ市とのホームステイ事業の準備を進め、子どもたちが国際交流に参加できる機会を提供し、異文化交流を進めてまいります。
地域住民の交流や活動の場である、みずほ台コミュニティセンターの長寿命化改修工事を行い、利便性の向上を図るとともに、公共施設の適切な維持管理に努めてまいります。
(4) 土地利用、道路、治水、下水道、公共交通
次に、土地利用、道路、治水、下水道及び公共交通の分野について、ご説明いたします。
行政・文化・産業・広域商業の中心であるシティゾーンの整備につきましては、「みらいCプロジェクト」を進めることで、市民コミュニティの形成の核として、そして行政機能の中枢として、さらに芸術や文化・スポーツなどの拠点として再整備を進めてまいります。水谷柳瀬川ゾーンにつきましては、地域の発展と活性化につながる魅力的なまちづくりのため、地権者組織や埼玉県などと協議を重ねながら、交通利便性を生かした土地利用について、引き続き検討してまいります。
また、埼玉県による水谷調節池の整備が完了するため、調節池周辺を、水辺の自然環境などの資源を活用した、市民の憩いの場となる親水ゾーンとして整備してまいります。
市民の円滑な移動に資する幹線道路等につきましては、みずほ台駅東通線の整備を進めてまいります。
また、道路の安全性を確保するため、路面の調査や橋梁の定期点検を計画的に行い、道路の舗装・修繕、橋梁の補修を進めるなど、交通環境の充実を図ってまいります。
台風や集中豪雨などによる浸水被害を防ぐため、富士見江川の護岸改修工事を計画的に進めてまいります。
雨水排水施設につきましては、登戸樋管改修工事、水谷東2丁目排水ポンプ場施設更新工事、尺地排水機場ポンプ更新工事を行ってまいります。また、西みずほ台地区の浸水被害を防止するため、浸透施設を整備するなど、地域の状況に応じた浸水対策を計画的に進め、災害に強い安全な生活環境を構築してまいります。
下水道施設につきましては、ストックマネジメント実施計画に基づき、管路施設やポンプ施設の実施設計に取り組んでまいります。
公共交通につきましては、市として目指すべき旅客運送サービスの姿を示すマスタープランの役割を担う、地域公共交通計画の策定に着手いたします。地域公共交通の将来的なあり方などについて検討を行い、持続可能な地域公共交通ネットワークの形成を目指してまいります。
(5) 環境、公園・緑、住環境
次に、環境、公園・緑及び住環境の分野について、ご説明いたします。
2050年までに二酸化炭素排出量を実質ゼロとすることを目指す「富士見市ゼロカーボンシティ宣言」を実現していくため、市役所本庁舎で使用する電気を環境価値が付与されたCO2フリー電気に移行し、温室効果ガスの削減に取り組んでまいります。
ごみの排出量の削減や資源化率の向上を推進するため、家庭の生ごみの分別収集を実施し、搬入先のバイオガス施設にて再エネルギー化を図る実証事業の検討を進めてまいります。
歴史的な古民家、山林、湧水などが揃う魅力的な地域資源の一つである「大御庵の杜」につきましては、古民家や山林等の保全を適切に実施するとともに、後世に引き継ぎ、活用を充実するための保全設計を行ってまいります。
燃えないまちづくりの推進につきましては、木造住宅密集市街地の火災予防と延焼防止を推進するため、準防火地域の指定に向けた基礎調査を実施いたします。
併せまして、通電火災予防のための感震ブレーカーの設置補助、防災空地制度の検討、狭小地解消のための隣地統合や空家除却補助の要件緩和を行い、地震火災などで燃えない、燃え広がらないまちづくりを推進してまいります。
鶴瀬駅西口土地区画整理事業につきましては、換地処分や町名地番変更などに向けて、着実に事業を進めてまいります。
鶴瀬駅東口土地区画整理事業につきましては、都市基盤の整備に向け、駅前広場周辺道路などの公共施設整備や宅地整備を進め、富士見市の玄関口としてふさわしい良好な市街地を形成してまいります。
(6) 商工、農業
次に、商工及び農業の分野について、ご説明いたします。
創業しやすい環境や、意欲ある事業者の成長を支援するため、新規事業の立ち上げや事業承継など、経営の専門家にアドバイスを受けることができる経営・創業相談事業を継続し、相談者に寄り添った支援により、市内事業者を支えてまいります。このほか、埼玉県創業プロジェクトとの連携を図り、創業にチャレンジしやすい環境をさらに充実させてまいります。
農業施策につきましては、将来にわたり農業を継続できる環境を整備するため、農地耕作条件改善事業を実施し、ほ場の大区画化や農道の拡幅、水路の改修などを行ってまいります。また、稲作に大きな被害を与えるイネカメムシへの対応として、稲作農業における広域防除対策費用の補助を実施し、農業者の安定的な経営支援に取り組んでまいります。
(7) シティプロモーション
次に、シティプロモーションの分野についてご説明いたします。
第2期基本計画の策定に合わせ、組織改正を行い、シティプロモーションと広報の機能を統合し、新たなシティプロモーション課として組織いたします。
広報富士見やホームページ、SNSなど、市の情報発信コンテンツを一元的に運用することで、さらなる情報発信力の強化に取り組んでまいります。
インスタグラム等デジタルプロモーションを強化し、市の魅力を広く発信・拡散することで、市を認知した人が、市に関心を持つ、市を訪れるといった行動変容につながるプロモーションを展開してまいります。
(8) 危機管理、総合行政
最後に、危機管理及び総合行政の分野について、ご説明いたします。
市民の防災意識を高め、自助の備えにつなげるため、最新の防災情報を反映するとともに、水防法の規定に基づく内水ハザードマップを追加した、富士見市防災ガイドブックを作成し、市内全戸に配布いたします。
「誰一人取り残さない」を理念に、すべての人に配慮するインクルーシブ防災の取組として、特別支援学校において福祉避難所開設訓練を実施し、障がい者や家族の皆様が、災害時に安心して避難できるよう、災害対応体制の確認、強化に取り組んでまいります。
庁舎の災害対策本部機能の補完や備蓄品の集中管理、支援物資集積場所のほか、ボランティアセンターの機能を有する中央防災センターにつきましては、建設工事に着手し、令和9年度の供用開始に向けて整備を進めてまいります。
市役所新庁舎整備につきましては、災害に強く市民の安全・安心を確保できる強靭な構造を持ち、誰もがわかりやすく利用しやすい庁舎を目指し、建設実施設計やネットワーク実施設計を行うとともに、庁舎敷地拡張に伴う水路の移設工事を行ってまいります。
厳しい財政状況の中、自主財源を確保するため、ふるさと納税の返礼品のPRを充実することで、寄附の拡大に取り組んでまいります。
市民の皆様と行政の接点となるフロントヤード改革の一環として、市役所庁舎内にキオスク端末機を設置いたします。併せて、全国のコンビニエンスストアで、マイナンバーカードを活用して住民票などが取得できるコンビニ交付サービスに、課税証明書の発行を追加し、市民サービスの向上と窓口の混雑緩和を図り、「行かない窓口」の普及を推進してまいります。
今後におきましても、市民目線に立った行政サービスの向上を目指し、デジタルトランスフォーメーションをさらに加速させてまいります。
4 令和8年度予算の概要
令和8年度は、次期計画となる第6次基本構想・第2期基本計画の初年度となることから、理想の“未来”の実現に向け「計画を力強く前進させる年」と位置づけ、財政規律を踏まえつつ、推進力のある予算を編成いたしました。
予算の総額は、464億6,922万8千円で、前年度比28億6,248万5千円の増、率にして6.6%の増となり、過去最大規模となっております。
市税につきましては、個人市民税や固定資産税の増加などにより、総額176億1,318万6千円となり、前年度比3億8,961万1千円の増、率にして2.3%の増となっております。
地方交付税につきましては、地方財政計画等を踏まえ、前年度より2億2,000万円の増となる47億5,000万円を見込んでおります。
地方消費税交付金につきましては、地方財政計画や交付実績を踏まえ、前年度より2億円の増となる27億円を見込んでおります。
市債につきましては、普通建設事業費の増に伴い、前年度比12億7,540万円の増、率にして64.2%増の32億6,110万円となっております。
なお、繰入金につきましては、財政調整基金などから15億2,698万4千円の繰り入れを行っております。
5 結びに
「首長が選んだわがまち5大ニュース」という記事が、毎年末、埼玉新聞に掲載されます。1年間の多くの出来事の中から5つを選択することは、毎年苦労するところではございますが、富士見市の2025年のニュースとして、次の5件を掲載していただきました。
1つ目は、「デフリンピック開催で姉妹都市・セルビア共和国デフハンドボール代表事前キャンプ交流」、
2つ目は、「行政・市民・企業・教育関係者が一堂に会し「防窮サミット2025in 富士見市」を開催」、
3つ目は、「大阪・関西万博セルビア共和国パビリオンのシンボルツリーを本市に移植」、4つ目は、「富士見市指定文化財・氷川前遺跡出土「銅鋺」を展示」、そして、5つ目は、「個人住民税市町村表彰式における5年連続での納税率部門表彰受賞」の5件でございます。
これらは、いずれも本市にとって誇ることのできる出来事でございますが、この5件以外にも、紹介したいニュースがありました。
市公式YouTubeチャンネルで人気の動画となった、富士見市学校給食の人気メニューの焼きそばを題材にした「焼きそばのヒミツ」です。学校給食センターの栄養士の先生、調理員さんたちが、子どもたちを想い、元気に健やかに成長して欲しい、おいしく給食を食べて欲しいと、心を込めて調理されている姿が印象的で、富士見市の焼きそばを食べてみたいと思わせる納得の映像となっています。この動画が大変好評であったため、現在では、第2弾として「カレーのヒミツ」、第3弾として、「きな粉揚げパンになるまでの旅」が制作されています。皆様にもぜひ、ご覧いただきたいと存じます。
本YouTubeチャンネルにつきましては、収益化の必須条件とされている、チャンネル登録者数1,000人以上、過去12か月間の総再生時間4,000時間以上の2つの条件をクリアしており、5大ニュースに劣らない快挙であるものと評価しております。
そして、昨年は、本市が取り組んでまいりました「共生社会のまちづくり」にとりましても、節目の1年となりました。
6月には、「手話に関する施策の推進に関する法律」が施行され、11月には、きこえない・きこえにくい人のためのオリンピックであるデフリンピックが、初めて国内で開催されました。1924年にフランス・パリで第1回大会が開催され、東京2025デフリンピックは、100周年の記念となる大会にもなりました。
本市におきましても、セルビア共和国デフハンドボールチームのホストタウン交流という重要な事業にもつながり、富士見市手話言語条例制定10周年にふさわしい年となりました。
私は、全国手話言語市区長会会長を経て、事務局長を務めるなど、手話の普及や、あいサポート運動を推進してまいりました。これらの活動を通じ、全日本ろうあ連盟石橋理事長をはじめ、連盟の皆様とともに、法律制定やデフリンピックの招致に関わることができたことは、全国手話言語市区長会と私にとって大きな喜びであります。
この、全日本ろうあ連盟は、1947年、昭和22年に、群馬県伊香保温泉で行われた「全日本聾唖連盟結成大会」がはじまりとなっています。本大会以来、長きに渡り、先人たちが苦しみを乗り越え、差別や偏見と闘い、様々な成果を積み重ね、現在の共生社会実現として結実したものでございます。
連盟の創立70周年記念事業として、黎明期からの苦難の歴史が描かれた「段また段を成して」というドキュメンタリー映画が制作されました。
タイトルの「段また段を成して」は、連盟創立の地である伊香保温泉の365段の石段と、その温泉街の風景について、大正時代の歌人与謝野晶子が詠んだ詩「伊香保の街」からいただいたものということです。
ここで、詩の一部をご紹介します。
「伊香保の街」
榛名山の一角に、段また段を成して、羅馬時代の野外劇場の如く、
斜めに刻み附けられた桟敷形の伊香保の街、屋根の上に屋根、部屋の上に部屋、
すべてが温泉宿である
全日本ろうあ連盟は、長きに渡り、苦労を重ねながら運動を展開し、旧民法第11条の改正、運転免許獲得運動、手話通訳の制度化など、高く、長い石段を一段一段登るように権利を獲得してきました。
令和7年は、まさに「段また段を成し」の険しい石段を乗り越え、「手話に関する施策の推進に関する法律」の制定、国内で初めてのデフリンピックの開催という大きな目標を成し遂げた、連盟にとって歴史に刻まれる年となりました。この成果は、大きな一歩であり、真の共生社会を築いていく大事な通過点でもあります。これらの活動に関わる中で、連盟の皆様が情熱を傾け大事を成し遂げていく姿、粘り強い推進力に大きな感銘を受けました。
私はこの経験を活かし、第6次基本構想・第2期基本計画がスタートする本年、新庁舎整備、公共施設マネジメント事業をはじめ、多くの課題を抱えながらも、議論には理解と寛容をもって当たり、幾多の苦難に直面しても、不退転の覚悟で臨んでまいります。
理想の未来である“充実した日々”を創り上げるため、「段また段を成す」状況にあっても、全力で市政運営に取り組み、石段を一歩一歩確実に登り続けてまいります。
市民の皆様並びに議員各位におかれましては、なお一層のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げ、私の令和8年度施政方針といたします。
令和8年2月17日
富士見市長 星野 光弘
