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令和5年度施政方針

最終更新日:2023年2月21日

 施政方針とは、市政運営にあたり、市長の市政運営に対する基本的な考え方や予算案及び主要な施策について述べたものです。

令和5年度施政方針(令和5年2月21日)

 本日ここに、令和5年第1回富士見市議会定例会が開催され、令和5年度一般会計予算をはじめ、市政の関連議案についてご審議をお願いするにあたり、私の市政に対する基本方針と施策の概要を申し上げ、議員各位並びに市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

1 はじめに

 昨年、令和4年を振り返りますと、世界経済は、需要と供給の両面で、コロナ禍から緩やかな回復傾向となりました。一方で、ウクライナ情勢の影響による、小麦や油脂(ゆし)などの原材料価格の高騰や、原油価格の上昇に伴い物流費や資材が値上がりするなど、様々な要因によって、世界的に物価は上昇傾向となりました。
 国内においても、この世界的な物価上昇や、32年ぶりとなる円安水準の影響から、光熱費、日用品や食料品が繰り返し値上げされ、私たちの暮らしに大きな影響を及ぼしてまいりました。
 そのような状況の中、本市では、「子どもの笑顔」、「活気ある経済」を取り戻すため、学校給食費の無償化や、水道基本料金の免除といった物価高騰の影響を受ける市民への経済的支援、コロナ禍により一時的に業績が悪化している市内中小企業への支援など、きめ細やかで迅速な支援に取り組んでまいりました。さらに、「日常生活」を取り戻すためのカギとなる新型コロナワクチン接種につきましても、1週間当たりの接種者数が、6,000人を超えることもあり、 非常に速いペースで接種を進めることができるなど、市民の皆様のご理解や富士見医師会をはじめとした、多くの皆様のご協力のもと、市一丸となってこの状況に対応することができました。
 また、昨年は市制施行50周年の大きな節目を迎え、次の50年に向けて、新たなスタートを切った年でもありました。
 私は、この50周年を市の魅力の再発見、認知度の向上や、さらなる活性化に向けた大きなチャンスと捉え、4月10日の市制施行50周年記念式典をはじめ、多くの事業を展開してまいりました。3年ぶりに開催した富士見ふるさと祭りでは、およそ3万6千人の来場者を迎え、活気が徐々に戻ってきたことを肌で感じ、市民の皆様の笑顔の花を咲かすことができたことは、非常に感慨深いものがありました。
 今後におきましても、市民アイデアにより実現した「ふじみ☆ふわっぴー絵本」のお披露目ともなる「ふわっぴーの誕生会」、次の50年の主役となる子どもたちに向けた「花火大会」、多様な人が、多様な味わいと多様な彩りを楽しむことができる「FUJIMI☆クラフトビアフェスタ」などの事業が予定されています。新型コロナウイルス感染症の影響により失われた、人と人との絆を取り戻す好機として、多くの皆様と、この節目を祝い、笑顔とともに絆を深め、未来へとつながる機会としてまいります。
 昨年は、スポーツの世界においても、プロ野球東京ヤクルトスワローズの村上(むらかみ)(むね)(たか)選手が、(おう)貞治(さだはる)氏の持つ記録を塗り替える56本の本塁打を放つなど、明るいニュースがありました。その中でも、FIFAサッカーワールドカップ カタール大会での日本チームの躍進には、多くの国民が勇気づけられたものと感じております。「新しい景色」を目指した(もり)(やす)ジャパンの雄姿は、明確なビジョンをもって取り組むことで、しっかりと成果に結びつけていけることを私たちに示してくれました。
 本市においても、私の政策(ビジ)提言(ョン)である「ふじみ☆ビジョン30(プラス)2ndStep(セカンドステップ)」の主要施策と、市のビジョンをまとめた第6次基本構想・第1期基本計画をしっかりと進めていくことで、富士見市の新しい景色となる理想の“未来”を描いていけるよう、引き続き全力で取り組んでまいります。

2 令和5年度の市政運営の方針

 世界最高峰のエンターテイメント企業であるウォルトディズニーカンパニーは、2023年に設立100周年を迎えます。小さなアニメスタジオからスタートした会社は、世界中に夢を与え続ける大企業へと成長しました。それでもなお、ウォルトディズニーカンパニーは、「臆病になっている暇はなく、大胆な取組を続ける。」と宣言しています。
 本市でも、次の50年先、市制施行100周年に向け、現状に満足することなく、さらなる成長に向け、今後の成長分野でもあるデジタル分野や、グリーン分野などにも果敢にチャレンジしていくこと、そして、これまでの取組をさらに加速させていくことが必要です。
 また、本年は、令和3年度からスタートした第6次基本構想・第1期基本計画の中間年度となります。その進捗を把握し、計画的に事業推進を図っていくこと、そして、社会情勢等の変化に対応しながら、着実に成果につなげていくことが重要となります。
 そのためには、未来を起点に現在の取組を逆算して考えるバックキャスティングの手法により、目指すべきゴールを見失うことなく、事業を推進してまいります。併せて、目の前にある喫緊の課題解決には、現在を起点に取組を考えるフォアキャスティングの手法を活用しながら、スピード感をもって対応してまいります。
 これらの取組を進める際には、本年の干支でもある長い耳を持つ(うさぎ)のように、小さな声や音も聞き漏らさず、(とび)のように高い視点から、物事を俯瞰(ふかん)して捉えていく「鳶目(えんもく)()()」を意識してまいります。さらに、この感覚を研ぎ澄まし、これまでの経験と重ね合わせることで、物事の本質をしっかりと捉え、今取り組むべき課題を見極めながら、笑顔あふれるまちづくりに向け、私が先頭となり歩みを進めてまいります。
 そして、先人から継承され、過去から現在につながったこの手にあるバトンを、未来へつなげていくため、令和5年度は、次の3つの基本方針に基づき市政運営に取り組んでまいります。


(1)持続可能なまちづくりの推進
 我が国において、新型コロナウイルス感染症が初めて確認されたのは、今から3年前の令和2年1月のことです。この間、コロナ禍における様々な感染対策、そして行動制限などが繰り返され、私たちの暮らしは変化を余儀なくされました。
 一方、コロナ禍を機に、テレワークやオンライン会議の普及など、私たちのライフスタイルも「新しい生活様式」のもと、大きく変化してきました。多くの方が、このコロナ禍の収束と、デジタルを活用した利便性の高い生活の実現に、期待を寄せているものと感じております。
 本年5月8日には、新型コロナウイルス感染症は、感染症法の位置づけが、現在の2類相当から5類に引き下げられる見込みとなり、私たちの暮らしは、新たな転換期を迎えることとなります。
 私は、家庭や学校、地域など、あらゆる場面において、日常生活を取り戻し、さらなる利便性の高い生活を実現することができるよう、国の動向に注視し、市民の皆様のニーズに寄り添いながら、その期待に応えてまいりたいと考えております。
 さらに、環境変化のスピードが日々加速している今日(こんにち)において、切れ目なく、適切なタイミングで、素早く行動に移すことで、足元の地域経済を活性化させるとともに、誰もが活躍できる持続可能なまちづくりを進めてまいります。
 今後におきましても、気を緩めることなく、着実に、そして時には大胆に取り組むことで、この不確実な要素の多い、現在の状況から脱却できるよう取り組んでまいります。


(2)安定した生活基盤づくりの着実な推進
 これまで、喜びや生きがいにあふれる「実りある暮らし」の実現に向け、安全で安心なまちづくりや健康づくりなど、安定した生活基盤の確保に向け、取り組んでまいりました。市民の生命、財産を守ることは容易なことではありません。しかし、この難題に果敢にチャレンジし続け、市民の皆様の安全と安心を確保してまいります。
 また、多様性を尊重し、安らぎをもたらす「充たされたつながり」、住みたい、住み続けたいまちとなる「恵まれた生活環境」の確保のため、将来を担う子どもたちの健やかな成長を促す子育て支援や、教育の充実に取り組むとともに、人生100年時代を充実したものとする健康づくりや、地域コミュニティの活性化などにも取り組んでまいりました。これらの取組の成果は、一朝一夕に実を結ぶものではありません。そのため、これまでの取組を継続し、強化していくことで、成果を積み重ねていけるよう、不断の努力により、一歩一歩、着実に前に進めてまいります。


(3)飛躍による理想の“未来”の実現
 まちの魅力を高め、活力を生み出す「成長の継続」に向け、産業振興、DX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進、若者支援など将来においても成長が継続していけるように、様々な取組をスタートさせてまいりました。この取組をしっかりと生活の土台とし、さらなる利便性の向上や、地域活性化につなげ、誰もが自分らしく輝けるまちにしてまいります。
 また、新庁舎、多目的屋外スポーツ施設や、産業団地の整備などにより、このまちの未来の景色が、大きく変わろうとしています。夢をかたちに…そして未来に向け、その道筋を示していくことこそ、私の使命であると認識しております。
 併せて、今この手にあるバトンを確実に次世代へつなぐため、昨年4月に宣言いたしました「富士見市ゼロカーボンシティ宣言」に基づき、この恵まれた自然環境を守り、ぬくもりと憩いのある富士見市で、笑顔あふれる未来を迎えることができるよう取り組み、理想の“未来”の実現に向け、大きく飛躍していく富士見市を創ってまいります。


3 施策の概要

 只今申し上げました基本方針に基づいた主な取組を、第6次基本構想・第1期基本計画で定めます分野に沿って、ご説明申し上げます。


(1)子ども・子育て支援、学校教育
 はじめに、分野1から分野3のうち、子ども・子育て支援及び学校教育について、ご説明いたします。
 新たな民間保育施設整備に向け補助を行うほか、公立保育所において1歳児クラスの受け入れの拡大を図り、待機児童の解消に取り組んでまいります。
 また、放課後児童クラブにつきましては、水谷小学校の増築校舎に水谷第4放課後児童クラブを整備し、入室者数の増加に対応してまいります。
 妊娠期から子育て期の家庭や、子どもたちへの切れ目のない支援拠点となる「子ども家庭総合支援拠点」を、子ども未来応援センターに設置し、相談支援体制の強化を図ってまいります。
 また、課税世帯におけるひとり親家庭等医療費の自己負担金を廃止するほか、養育費に関する公正証書等の作成費用を補助するなど、ひとり親家庭等の経済的な自立を支援してまいります。
 併せて、身近で相談に応じ、必要な支援メニューにつないでいく伴走型の相談支援や、「出産・子育て応援給付金」など、国が進めておりますこどもファーストの経済社会づくりについても、迅速に対応してまいります。
 さらに、現在取り組んでいるアウトリーチ型の訪問による産後ケア事業に加え、市内産科医療機関でのデイサービス型の産後ケア事業を開始し、出産後間もない産婦が抱える子育てに関する悩みや、不安を軽減してまいります。
 学校教育につきましては、これまで研究を進めてきましたSTEM教育をすべての小学校において展開し、児童の情報活用能力、プログラミング能力及び問題解決能力を育成してまいります。併せて、就学援助費受給世帯に対し、オンライン学習に係る通信費の支給を行い、すべての児童生徒に対し、オンライン学習の機会を確保してまいります。
 また、義務教育9年間を見通した系統性、継続性のあるカリキュラムの作成や、中学校教員による小学校への乗り入れ授業を実施するなど、小中一貫教育を推進してまいります。
 さらに、新たに跡見学園女子大学と連携し、小学校へのスチューデントサポーターの派遣や、児童生徒の特性を把握する取組など、心理学の専門的知見を活用した教育相談の充実を図るとともに、特別支援学校の配置看護師を増員し、医療的ケアを必要とする児童生徒や、その保護者に寄り添った支援に取り組んでまいります。
 学校施設につきましては、令和4年度から実施している学校体育館への空調設備設置工事を進めるとともに、水谷小学校の児童増加に対応するため、校舎の増築を行うなど、児童生徒が心身ともに安全に通うことができる教育環境を整備してまいります。
 健やかな体の育成の一助となる学校給食につきましては、安全で安心な給食を、これまで以上に安定的に提供できるよう、調理業務の委託化を行うとともに、学校給食費の公会計化を行い、教職員の負担軽減と管理における透明性の向上を図ってまいります。


(2)地域福祉、高齢者福祉、障がい福祉、健康づくり
 次に、分野4から分野7、地域福祉、高齢者福祉、障がい福祉及び健康づくりについて、ご説明いたします。
 ダブルケア、ヤングケアラー、8050(はちまるごーまる)問題など、地域福祉における課題は、多様化し、複雑化してきています。そのため、従来の制度の枠を超え、市民や民間の支援機関、行政との連携、協働による包括的な支援体制となる、重層的支援体制の整備を開始し、課題を抱える世帯全体の生活再建や、自立に向けた支援など、多職種連携により課題解決に取り組んでまいります。
 併せて、高齢者あんしん相談センターや、障がい者基幹相談支援センターなど、これまで各分野で取り組んできた包摂的な支援の仕組みを強化し、住み慣れた地域で、安心して暮らすことができるまちづくりを進めてまいります。
 認知能力の低下した高齢者や、障がい者の方の生活と財産を守るため、成年後見制度の利用促進を図るとともに、成年後見人等へ報酬支払が困難な方への報酬助成を継続するなど、高齢者等の権利擁護を推進してまいります。
 また、「手話は言語である」との考えのもと、手話言語への理解と普及促進や、手話通訳者の充実など、障がいのある人も、ない人も、誰もが地域で安心して暮らすことができる、共生社会の実現を目指してまいります。
 死亡要因として突出して高いがんを早期に発見するため、集団がん検診の予約方法にWEB予約システムを導入し、申込みしやすい環境を整備することで、がん検診の受診率向上を図ってまいります。


(3)スポーツ、文化芸術・文化財、生涯学習、防犯・交通安全
 次に、分野8から分野15のうち、スポーツ、文化芸術・文化財、生涯学習及び防犯・交通安全について、ご説明いたします。
 多目的屋外スポーツ施設の整備に向け、必要とされる機能や規模、スケジュールなどを定める基本計画の策定を始め、誰もがスポーツに親しめる環境の創出に向け取り組んでまいります。
 また、ボッチャや車椅子バスケットボールなど、障がい者スポーツの体験、交流事業を行い、東京2020(にーぜろにーぜろ)オリンピック・パラリンピック競技大会のレガシー創出と、障がい者スポーツの普及啓発を図ってまいります。
 文化芸術の発信拠点である、市民文化会館キラリ☆ふじみを中心とした文化芸術の振興に取り組み、舞台芸術鑑賞会を継続するなど、誰もが文化芸術に親しめる機会を創出してまいります。
 国指定史跡「水子貝塚公園」につきましては、再整備に向けた基本計画を策定し、史跡を適切な状態で保存管理し後世に残すとともに、観光資源や地域資源として積極的な活用の検討を進めてまいります。
 マイナンバーカードを図書館カードとしても利用できるシステムの導入や、スマートフォンなどの携帯端末を活用した図書館カードの電子化を行い、図書館利用者の利便性向上を図ってまいります。
 また、電子書籍コンテンツの充実を図り、電子図書館の利用を促進してまいります。
 未だ減少しない特殊詐欺の発生を抑制するため、振り込め詐欺対策機器の購入補助を継続してまいります。


(4) 土地利用、道路、治水、下水道
 次に分野16から分野21のうち、土地利用、道路、治水及び下水道について、ご説明いたします。
 市の産業拠点であるシティゾーンのBゾーンにつきましては、埼玉県による用地取得も完了し、今後、調整池や道路整備など、造成工事がスタートします。引き続き、埼玉県とより一層の連携を図りながら、さらなる賑わいや、雇用の創出に向け取り組んでまいります。
 水谷柳瀬川ゾーンにつきましては、埼玉県による調節池の整備に合わせ、地域の発展と活性化につながる土地利用に向け、議論を進めてまいります。
 市民の円滑な移動に資する幹線道路等につきましては、みずほ台駅東通線や、シティゾーンの産業団地整備に伴う周辺道路整備などを進め、生活環境の向上や地域活性化につなげてまいります。
 また、道路の安全性を確保するため、路面調査や橋梁の定期点検を行い、道路の舗装、修繕や、狭隘道路の改善を計画的に進めるなど、交通環境の充実を図ってまいります。
 老朽化した排水機場やポンプの更新、増強を行うなど、地域の状況に応じた浸水対策を進め、台風や集中豪雨などによる被害の防止や軽減を図り、災害に強い安全な生活環境を構築してまいります。


(5) 環境、公園・緑、住環境
 次に、分野22から分野24、環境、公園・緑及び住環境について、ご説明いたします。
 2050年までに二酸化炭素排出量を実質ゼロとすることを目指した「富士見市ゼロカーボンシティ宣言」に基づき、創エネ活動や、省エネ活動に取り組む市民や事業者への支援として、再生可能エネルギー機器等の設置や、次世代自動車等導入に対する補助を促進し、市内の二酸化炭素排出量の削減に取り組んでまいります。
 また、市民の皆様のご協力により、県内最少となった1人1日当たりのごみ排出量のさらなる削減に向け、家庭から排出される廃食用油の拠点回収を実施し、可燃ごみの発生抑制に取り組むとともに、生ごみをバイオガス化施設に搬入し、再生可能エネルギーとして再利用するモデル事業に取り組んでまいります。
 不燃ごみ回収容器の軽量化により、持ち運びの負担軽減を図ることで、高齢化に伴う地域のごみ集積所の課題に対応してまいります。
 すべての世代が憩い、楽しめる拠点として、パークゴルフ場や、キャンプ場などを整備したびん沼自然公園が本年4月1日にリニューアルオープンします。多くの方に訪れていただくことで、新たな賑わいが創出される場所として活用してまいります。
 今年度取得した市民緑地「御庵(ごあん)」と、ご寄附いただいた古民家などを「(おお)御庵(ごあん)(もり)」として位置づけ、自然や文化に親しみ、憩い、交流できる空間の創出に向け、利活用の検討を進めてまいります。
 また、市民緑地「諏訪の森」の用地を取得し、将来に向けて緑豊かな環境を残し、貴重な財産である自然環境や、景観を次世代に継承してまいります。
 管理不全な状態の空家対策として、相続財産管理人制度の活用により、所有者が不明である空家の除却を図り、良好な生活環境を維持してまいります。
 鶴瀬駅の東口につきましては、市の玄関口にふさわしいまちづくりとなるよう、駅前広場の整備完了に向け、取り組んでまいります。


(6) 商工、農業
 次に、分野25から分野27のうち、商工及び農業について、ご説明いたします。
 ふじみ野地域における事業者間の交流促進のため、地域版マーケットイベントの開催を支援し、活気と賑わいのあるまちづくりを進めてまいります。
 また、創業準備、新規事業、経営の困りごとなどのある個店や中小企業が、経営のプロから相談を受けることができる経営・創業相談事業を継続するなど、相談者に寄り添った支援を行い、市内産業の活性化を図ってまいります。
 市内産のお米「彩のきずな」を使用した純米吟醸酒「縄文(じょうもん)(かい)(しん)」や、梅酒(うめさけ)(うめ)(れん)()」の販売促進の取組を支援し、市を代表する特産品、地産地消商品として、販売数量の拡充を図ってまいります。
 農地の集積を進めるとともに、農業水利施設の整備や改修を支援し、農業生産基盤の強化と生産性の向上を図ってまいります。また、認定農業者をはじめ、農業者を支援するため、農業用機械の購入費を補助するなど、農業者の経営安定化を図り、将来にわたり農業を継続できる環境を整備してまいります。


(7) シティプロモーション
 次に分野28シティプロモーションについて、ご説明いたします。
 市の情報発信の中心となる市ホームページにAIチャットボット機能とSNS連携機能を加え、利便性を向上させるとともに、情報発信力の強化を図ってまいります。
 一貫した市のプロモーション活動を進めるため、チラシや、ポスターにおけるデザイン構成の統一化を図り、対外的に行うシティプロモーションの効果を高めてまいります。
 さらに、電車広告、トレインビジョンなど、様々な広告手法を用いた情報発信に取り組み、市の認知度向上と交流人口の創出を図ってまいります。


(8) 危機管理、総合行政
 最後に、分野29危機管理及び分野30総合行政について、ご説明いたします。
 4年に1度の開催となる、総合防災訓練につきましては、体験型の要素を取り入れ、これまで防災訓練に参加したことがなかった方も、気軽に参加できる機会としてまいります。
 災害対策拠点など、様々な機能を兼ね備えた新庁舎の整備につきましては、機能や場所、規模、概算事業費などを具体化する基本計画の策定を進め、市民の皆様へ効率的、効果的な行政サービスが提供できる施設となるよう、検討を進めてまいります。
 デジタル化の推進につきましては、文書管理・電子決裁システムを導入し、さらなる文書管理の適正化とペーパーレス化を進めるとともに、決裁事務の迅速化に取り組んでまいります。さらに、組織内の情報共有システムや、財務会計システムなどの内部情報系システムと連携することで、行政事務の効率化を図ってまいります。
 公共施設等の使用料や証明書手数料の支払いにつきましては、これまで取り扱っていた電子マネー決済に加えて、クレジットカードにも対応した電子決済端末を導入し、キャッシュレス化による窓口業務の効率化と利便性の向上を図ってまいります。
 また、窓口における住民票等証明書の申請手続きにつきましては、「書かない窓口」の実現に向け、申請書作成支援システムを導入し、市民の負担軽減に取り組んでまいります。
 さらに、マイナンバーカードの利用促進と利便性の向上を図るため、コンビニ交付手数料の時限的な引き下げを行います。


4 令和5年度予算の概要

 令和5年度は、第6次基本構想・第1期基本計画の中間年度であり、理想の“未来”である「誰もが自分らしく、充実した日々を送ること」の実現に向け、一歩一歩、着実に前進していくための予算を編成いたしました。
 予算の総額は、390億3,893万4千円で、前年度比12億4,202万3千円の増、率にして3.3%の増となり、過去最大の規模となっております。
 市税につきましては、納税義務者の増加などにより、総額161億6,959万3千円で、前年度比6億2,065万円の増、率にして4.0%の増となっております。
 地方交付税につきましては、地方財政計画等を踏まえ、前年と同額の35億円を見込みました。
 また、地方消費税交付金につきましては、地方財政計画や交付実績を踏まえ、24億円を見込み、前年度比3億円の増となっております。
 市債につきましては、びん沼自然公園整備事業など、大型事業の完了に伴い、前年度比10億9,130万円の減、率にして30.4%減の24億9,520万円となっております。その内、臨時財政対策債につきましては、前年度に比べ3億円減の、7億円となっております。
 なお、繰入金につきましては、財政調整基金などから14億7,716万6千円の繰り入れを行っております。

5 結びに

 富士見市市制施行50周年の令和4年度に、私は「継往(けいおう)開来(かいらい)」のテーマをもって施政方針の柱に据えました。
 昨年、4月10日の市制施行50周年記念式典の式辞では、この言葉のとおり「先人のつくった歴史、伝統を受け継ぎ、今ある私たちは、誰もが充実した日々を送ることのできる、未来を切り開いていく。」ことを宣言いたしました。
 富士見市PR特別大使「ももいろクローバーZ」のヒット曲を、市内3駅の発車メロディーとして流す事業をスタートに、市民の皆様とともに考えた55の記念事業を実施してまいりました。
 3年以上続いている新型コロナウイルス感染症と戦いながら、失われた人と人とのつながり、絆を取り戻し、そして、すべての市民の皆様の笑顔の花を咲かすべく事業を展開してまいりました。その結果、「活気と賑わいあふれる富士見市」の創出、そして、理想の未来をつくる合言葉「みんな笑顔☆ふじみ」の実現にもつなげることができたものと考えております。
 そうした様々な記念事業が開催されていた昨年の秋、私の手許(てもと)に一編の作文が関沢小学校から届けられました。
 タイトル「60歳のはるじいが暮らす富士見市」作者は堀内(ほりうち)(はる)()君、関沢小学校5年生の作品です。ご紹介をしたいと思います。
 「僕は、生まれてから10年間、ずっと富士見市で暮らしています。たった10年ですが、家の近くに公園ができたり、鶴瀬駅のロータリーが広くなったり、いつのまにか、街の風景が変わっていることに気づきました。」
 作文の書き出しは、10歳の少年の目がとらえた街の変化です。そして、50年という時の積み重ねは、10歳の(はる)()君の生きた年数の5倍にあたります。(はる)()君自身の50年後の未来、富士見市の50年後の未来を思う作文です。私は、(はる)()君の最後の言葉に輝きを覚え、心つかまれました。
 60歳のはるじいが暮らす富士見市は、どんな街に、どんな変化をしているのか、(はる)()君は文中で、「おじいさんの僕が、元気に楽しく過ごせる街だったら、うれしいなと思います。」そして、「僕は、自動で空を飛ぶ車に乗ることができたらどんなにいいかなと思います。お友達に会いに出かけたり、おいしいものを食べに行ったり、自分の行きたいところへ、気ままに行けるのです。」と続け、50年後に暮らす(はる)()君のビジョンを示してくれました。
 “空飛ぶクルマ”について、国では、平成30年に閣議決定した未来投資戦略2018の実現に向け、「空の移動革命に向けたロードマップ」を策定し、令和7年の大阪・関西万博での飛行を起点とし、都市部や地方部、救急輸送等における実運用・商用運航への展開を目指すとしています。すぐそこに未来がありそうです。
 (はる)()君は次に、ビジョンの実現に向け、空飛ぶクルマで安全に移動するには富士見市に何が必要なのかということを考えてくれました。
 「電線や電柱が少ないと良さそうです。少しずつ、少しずつ、電柱や電線を道路の下に埋めて富士見市の空を自由にしておけば、おじいさんを乗せていても、空を飛ぶ車は、トンボのように自由に飛び交えるかと思います。」と、解決策を提案してくれています。
 最後に、もう1つの主題である(はる)()君の思いを示してくれました。
 「五十年後も谷津の森近くの桜並木が残っていて、満開の桜のトンネルを空飛ぶ車でくぐれたら、とっても気持ちがいいでしょう。想像するだけで、わくわくするので、おじいさんになるのも悪くありません。50年後の未来のために、残しておきたいものと、変えていきたいものがある僕でした。」と結んでいます。
 成長と発展を求め、それをやり遂げ、成果を手にしても、忘れてはならない、失ってはならないものがあります。50年後の未来のために、残しておくべきものがあるという、最後の言葉に市のリーダーとしての責任と重大さを感じております。
 富士見市長として、私は全職員とともに、この(はる)()君の言葉に応える政策を実行してまいります。確かな今をつくることは、未来の市民の「充実した日々」をつくることになります。
 残念ながら私自身は、50年後の満開の桜を見ることはできませんが、50年後に住まう富士見市民のために、素晴らしい数々の財産を残し、強い責任感と高い使命感をもって、成長と発展という変化をつくってまいります。ありがとう(はる)()君。
 市民の皆様並びに議員各位におかれましては、なお一層のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げまして、私の令和5年度施政方針といたします。

お問い合わせ

政策企画課

〒354-8511 埼玉県富士見市大字鶴馬1800番地の1 市庁舎2階

電話:049-257-4136

ファックス:049-254-2000

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