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令和3年度施政方針

最終更新日:2021年2月9日

 施政方針とは、市政運営にあたり、市長の市政運営に対する基本的な考え方や予算案及び主要な施策について述べたものです。

令和3年度施政方針(令和3年2月9日)

 本日ここに、令和3年第1回富士見市議会定例会が開催され、令和3年度一般会計予算をはじめ、市政の関連議案についてご審議をお願いするにあたり、私の市政に対する基本方針と施策の概要を申し上げ、議員各位並びに市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

1 はじめに

 昨年は、新型コロナウイルス感染症(COVID(コヴィット)-19(ナインティーン))の脅威に、世界中が震撼させられた1年でありました。
 令和2年1月14日のWHO(世界保健機関)による新種のウイルスの特定前後から、新型コロナウイルス感染症は、瞬く間に世界各国に拡散し、世界経済はもとより、人々の命そのものを危機的な状況に陥れました。
 我が国におきましても、1月16日に国内で初めての感染者が確認され、その後、日本各地で急速に感染が拡がっていきました。
 国は感染拡大への対策として、大規模イベントの延期や休止、全国の学校の臨時休業を要請、3月には、東京2020(ニーゼロニーゼロ)オリンピック・パラリンピック競技大会の延期が決定、さらに4月7日には緊急事態宣言が発令され、不要不急の外出自粛要請など、国民生活全体に大きな制約が生じることとなりました。
 このような状況の中、本市も、これまでに経験したことのない大きな試練にさらされ、新型コロナウイルス感染症に対する市民の皆様のための早急な支援策を講じることが、市の最優先課題となりました。
 本市では、国からの要請を踏まえ、昨年の3月2日からの市内公立学校の臨時休業をはじめ、公共施設の休館、イベント等各種事業の中止や延期を決定いたしました。その際、市民の皆様には、大変なご不便、ご負担をおかけしましたが、皆様の命と健康を守るための判断でありましたことを、ご理解賜りたいと存じます。
 また、感染拡大への対策は一刻も早い対応が求められていたことから、補正予算等の決定におきましては、専決処分をはじめ、臨時会の開催など、富士見市議会の皆様にも多大なるご理解とご協力を賜りましたこと、改めて感謝申し上げます。
 感染症対策に係る本市の主な取組みとしましては、昨年5月1日に、「新型コロナウイルス感染症緊急生活支援対策室」を設置し、国の特別定額給付金について、市民の皆様に速やかに給付できる体制を整え、4月30日の国の補正予算成立後、5月1日からオンラインによる申請受付を始め、13日には給付を開始するなど、国が求める早期の給付を行うことができました。
 この新型コロナウイルス感染症緊急生活支援対策室には、特別定額給付金の給付事務のほか、コロナ禍における生活や健康状態など、あらゆる相談に対応できるよう保健師を常駐させ、市民の皆様が心から安心できる総合相談体制を構築いたしました。
 また、国の地方創生臨時交付金を活用した市独自の支援事業も数多く実施してまいりました。
 まず、「子どもの笑顔を取り戻す!」子育て世帯への支援として、国が特別定額給付金で示した基準日以降に出生したお子様にも、特別定額給付金と同額の10万円を給付するスクスク子育て応援特別給付金給付事業や、ひとり親世帯臨時特別給付金給付事業を実施してまいりました。
 また、学校の臨時休業や子ども食堂などの休止により、食の機会が失われたひとり親世帯や生活困窮世帯の子どもたちへ、食糧支援と安否確認を目的としたフードパントリーなどを実施しました。
 次に、「日常生活を取り戻す!」市民の皆様への支援として、富士見市社会福祉協議会と連携し、緊急小口資金等特例貸付に係る受付窓口の強化を行ったほか、感染症の影響で収入が減少し住居を失う恐れのある方に住居確保給付金の支給、感染症に関連する就労や経済的な問題に係る法律相談の実施など、市民に寄り添う支援を行いました。
 さらに、「活気ある経済を取り戻す!」市内事業者への支援として、新たに中小企業者向け富士見市セーフティ小口融資制度の創設、緊急経営相談窓口等の設置などを行ってまいりました。
 また、第2次地方創生臨時交付金の活用事業としましては、市民生活と市内経済の支援を1つのパッケージとして、市内共通商品券である富士見市プレミアム付き商品券の発行・販売や、市内全世帯への消費活性化クーポン券の配布など、市民・事業者双方を支えるための支援を実施してまいりました。
 加えて、健康管理・感染症予防として、感染症により重症化しやすい高齢者の肺炎球菌及びインフルエンザの予防接種、さらに妊婦と子どものインフルエンザの予防接種に係る助成にも取り組みました。
 このほかにも、スクール・サポート・スタッフ、学習支援員などの増員をはじめ、臨時休業に伴い、高校受験を控えた中学3年生を対象とした受験対策講座の実施など、子どもたちの心と学びの支援にも積極的に取り組んでまいりました。
 さて、新型コロナウイルス感染症は、昨年12月以降、首都圏を中心に爆発的な感染拡大、いわゆるステージ4の状況となり、本年1月7日には、埼玉県を含む1都3県に2度目の緊急事態宣言が発令されました。本市におきましても、感染拡大防止への取組みを行ってまいりましたが、残念ながら感染者が急速に増加しておりました。
 一昨日の2月7日は、本来、緊急事態宣言が解除される予定でしたが、さらなる感染者数の減少を目指すため、期間の延長が実施されたところです。今もなお続くコロナ禍において、より効果的な感染拡大防止策を打ち出せるよう、しっかりと取り組んでまいります。
 その中で、4月から高齢者の皆様に順次開始される予定の新型コロナウイルス感染症のワクチン接種につきましては、健康増進センターに新型コロナウイルスワクチン接種推進グループを設置するなど、庁内体制を強化するとともに、埼玉県との連携、東入間医師会や富士見医師会との協力を図り、迅速に接種が行えるよう、しっかりと準備を進めてまいります。
 私は、このたびの感染症に対する対応、また、これまでの台風などへの災害対応を通じて、改めて市民の皆様の生命・財産を守ることの重責を感じているところでございます。
 これまでの経験を活かし、市民の皆様が安全で安心な日常生活を送ることができるよう、引き続き「誰もが住みたい、住み続けたい…選ばれるまち富士見市」を目指し、その実現に向け全力で取り組んでまいります。


2 令和3年度の市政運営の方針

 令和3年度は、富士見市総合計画「第6次基本構想・第1期基本計画」のスタートの年にあたります。
 第6次基本構想は、令和元年度から約2年間にわたり、市民の皆様とともに策定してまいりました。
 今回の策定にあたりましては、市民の皆様が自ら望む将来像や理想の未来を白紙の状態で考えることから始め、多くの方々からご意見をいただき、議論を重ねました。さらに、SDGsの考え方も取り込み定まったのが、20年後の理想の未来である「充実した日々」でございます。この理想の未来の実現のため、第1期基本計画を着実に推進してまいります。
 また、依然、収束の見えない新型コロナウイルス感染症への対策につきましても、市民ニーズを的確にとらえ、今後も切れ目ない支援を行ってまいります。
 この新型コロナウイルス感染症は、私たちの生活を一変させる出来事となりましたが、一方で、新たな社会構造に向けた改革のきっかけともなりました。
 それは、感染リスクの低減のため、人とひとの接触がなくとも社会活動が可能となる「新しい生活様式」の導入です。中でも、ICT技術の推進によるデジタル・トランスフォーメーションの考え方に基づく行政運営や働き方改革などは、感染症対策はもとより、便利な市民生活のために欠かせない取組みとなります。
 国においても、地方行政を含む国全体のICT化を加速させるため、本年9月にデジタル庁を発足させる予定となっております。
 私は、こうした社会構造の変化に乗り遅れず、行政のデジタル化に積極的に取り組み、市民の皆様の利便性の向上と行政の効率化を推進してまいります。
 併せて、私がお示ししています「ふじみ☆ビジョン30(プラス) 2nd(セカンド) Step(ステップ)」の主要施策を第6次基本構想及び第1期基本計画とともに推進することで、富士見市の明るい未来へつなげることとし、令和3年度は次の3つの基本方針を基に、市政運営を行ってまいります。


(1)安全安心な日常生活を送ることができる富士見市
 まちづくりの基本は、市民の皆様が安全で安心な日常生活を送ることができる環境をつくることです。
 感染症の対策につきましては、これまでも日常生活を取り戻すための生活支援など、新しい生活様式に対応した幅広い支援策を実施してまいりました。
 先般、国会におきまして、第3次補正予算が可決成立し、新たな感染症対策として地方創生臨時交付金の交付が決定されました。本市でも、この財源を有効に活用するため、市民の皆様の声を聞き、必要な支援を隅々まで速やかに提供できるよう、市独自の支援策に取り組んでまいります。
 また、本年3月11日は、東日本大震災の発生から10年となります。震災後、様々な復興支援により、徐々に被災地の復興は進んでいるところではありますが、私たちは、この未曽有の災害を決して忘れてはなりません。この記憶を風化させず、震災・風水害などの自然災害に対する備えに今後もしっかりと取り組み、安全安心なまちづくりを推進してまいります。


(2)誰もがイキイキと暮らすことのできる富士見市
 我が国の国内出生数は、4年連続で減少しており、人口も2008年をピークに減少を続け、少子化・人口減少に歯止めがかからない状況です。
 昨年、本市の今後の人口に関する動向予測として、人口ビジョンを見直しました。この推計値においても、本市の人口は令和7年度をピークに減少することが見込まれています。
 この調査において実施した子育て世代の方へのアンケートでは、「子育てをする生活や保育環境に不安がある。」、「子育てに関する支援を充実して欲しい。」など、子育てがしやすい環境を強く求める声が寄せられました。
 私は、これらのご意見をしっかりと受け止め、その気持ちに応えるため、子ども未来応援センターを中心に、更なる子育て支援の充実を図ってまいります。
 また、子どもたちが夢を持ちチャレンジできる環境、その能力を最大限に伸ばす教育を実践することで、子どもたちの笑顔あふれる富士見市を創ってまいります。
 昨年、新たに東京大学高齢社会総合研究機構と連携したフレイルチェック事業を開始いたしました。介護予防への取組みをより充実させ、健康長寿のまち富士見をさらに推進してまいります。
 また、障がいの有無や国籍、性別の違いなどにかかわらず、誰もが富士見市で充実した日々を過ごすことができるよう、共生社会の実現に向け、しっかりと取り組んでまいります。


(3)まちの魅力を高め、活気と賑わいのある富士見市
 これまで、新型コロナウイルス感染症にかかる経済対策として各種事業を実施してまいりましたが、本市の経済は、その影響から完全に立ち直ったとは言えません。市内経済の立て直しに引き続き取り組むとともに、さらなる活気と賑わいのあるまちづくりを進めるため、新たに設置する経済環境部を中心に、市内産業の現状を分析し、より効果的な施策を実施できるよう、産業の振興に関する取組みを強化してまいります。
 本市の成長のエンジンであるシティゾーンでは、交通利便性を活かした産業団地の整備を進めるほか、水谷柳瀬川ゾーンでは、企業誘致に向けた取組みに注力し、新たな活力を創出する拠点として土地利用を推進してまいります。
 また、都市計画マスタープランにおいて、交流拠点として位置づけたびん沼自然公園や、鶴馬地内を中心とした湧水の再生・活用など、緑豊かな自然を身近に感じられる環境の創出を図ってまいります。
 これらの拠点を市全体の道路交通ネットワークの整備によりつなげることで、まちの活性化を図る事業を展開し、本市の魅力と賑わいづくりに取り組みます。
 また、令和4年度の市制施行50周年記念事業につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、奪われた様々な機会を取り戻す好機として、市民の皆様とともに、喜び、祝える事業の実施に向け、しっかりと準備を進めてまいります。
 さらに、東京2020(ニーゼロニーゼロ)オリンピック・パラリンピック競技大会につきましては、感染症対策を講じ、事前キャンプ地などの関連事業に万全な体制で臨むとともに、大会終了後には、富士見TOPサポーターの方を中心にレガシーの創出を図り、この大会の成果を末永く市民の皆様に享受いただけるよう、取り組んでまいります。


3 施策の概要

 只今申し上げました基本方針に基づいた主な取組みを、第6次基本構想・第1期基本計画で定めます分野に沿って、ご説明申し上げます。


(1)子ども・子育て支援、子ども・若者支援、学校教育
 はじめに、分野1から3、子ども・子育て支援、子ども・若者支援、学校教育についてご説明いたします。
 子ども・子育て支援については、新たに新生児聴覚スクリーニング検査への助成を開始し、聴覚障害の早期発見に取り組み、子どものコミュニケーション能力の形成や言語の発育を支援してまいります。
 昨年導入しました産前・産後サポート事業、産婦健康診査事業、産後ケア事業の3つの事業については、妊娠・出産・育児に関する相談や、産婦健康診査の費用助成など、育児へのサポートに引き続き取り組み、子育てに対する不安の解消と安心につなげてまいります。また、これらの相談については、オンラインによる相談も可能とし、より気軽に相談ができる環境を整えてまいります。
 これらの支援策については、児童虐待への対応も含め、子ども未来応援センターで総合的に行い、妊娠・出産・子育てに関するワンストップ相談窓口の更なる強化を図ってまいります。
 保育環境の向上については、老朽化した園舎の建て替えを実施するこばと保育園に対し、建設費の一部を補助するとともに、同園のご協力を得て、子育て支援センターを併設していただき、子育て支援拠点の充実を図ります。
 また、本年1月に、諏訪小学校の校舎の一部を使用した諏訪第3放課後児童クラブを開設したほか、4月から、針ケ谷第2放課後児童クラブを開設するなど、子どもたちが安心して放課後を過ごすことができる環境を確保してまいります。
 教育環境の整備では、国のGIGAスクール構想に基づき、令和2年度中に児童生徒に1人1台、タブレットなどの端末を配備いたします。プログラミング教育など、ICTを活用した教育を推進し、児童生徒の情報活用能力の向上を図ります。
 また、勝瀬小学校や西中学校の校舎大規模改修工事のほか、つるせ台小学校の校庭の芝生化や学校体育館の空調設備の整備など、教育環境の向上を図ります。
 この他にも、子どもたちが自主的・意欲的に学習に取り組む習慣づくりを目指した家庭学習応援事業、ひとり親世帯や生活困窮世帯の児童生徒の学習支援を実施するアスポート事業及びジュニア・アスポート事業など、子ども・若者やその保護者への支援を行ってまいります。


(2)地域福祉、高齢者福祉、障がい福祉、健康づくり
 次に、分野4から7、地域福祉、高齢者福祉、障がい福祉及び健康づくりについてご説明いたします。
 まず、市民の福祉活動やボランティア活動の拠点である「市民福祉活動センターぱれっと」については、安全安心な施設運営のため、改修工事を実施いたします。
 在宅生活の支援では、ご家庭で高齢者の介護を行っている世帯に、介護手当や紙オムツの支給を継続するほか、障がいのある方が日常生活を送るために必要な用具の給付品目の拡大を図るなど、高齢者や障がいのある方が、安心して在宅生活が送れるよう取り組んでまいります。
 また、富士見市社会福祉協議会に成年後見制度の地域連携ネットワークを進める中核機関を設置し、支援体制の強化を行い、認知症の高齢者や知的障がい者の成年後見制度の利用促進を図ります。
 昨年導入しましたフレイルチェック事業を全市的な取組みとして拡げ、介護が必要となる前に、ふじみパワーアップ体操クラブなどの通いの場となる地域活動や、健康マイレージ事業などの健康づくりの場につなげることで、高齢者の方をはじめとした市民の皆様がいつまでも元気に過ごすことが出来るよう、介護予防と健康づくりの取組みを推進してまいります。
 疾病予防の取組みについては、喫煙者の健康と受動喫煙防止を図る観点から、子どもや妊婦と同居する方、妊婦本人を対象に禁煙外来診療費の一部を助成する事業を開始いたします。また、がんの早期発見・治療につなげるため、個別乳がん検診の対象者の拡大や集団乳がん検診受診料の負担軽減を行い、検診をより受けやすい環境づくりを進め、がん検診の受診率の向上を図ります。


(3)スポーツ、文化芸術・文化財、生涯学習、多文化共生・国際交流
 次に、分野8から10、スポーツ、文化芸術・文化財、生涯学習と分野13、多文化共生・国際交流についてご説明いたします。
 東京2020(ニーゼロニーゼロ)オリンピック・パラリンピック競技大会関連事業では、事前キャンプ地としてセルビア共和国の選手が大会に向けてしっかりと準備ができる環境を整えるとともに、練習公開や競技体験教室の開催など、選手との交流を通じ国際交流とスポーツに親しむ機会をつくります。
 さらに、オリンピック聖火リレーの実施や競技中継などを楽しむコミュニティライブサイトの開設など、市民の皆様とともに、このスポーツの祭典を楽しみ、盛り上げてまいります。
 昨年は感染症拡大防止対策として、文化芸術活動の拠点であるキラリ☆ふじみや公民館などの臨時休館、市の各種イベントの中止など、市民の皆様の活動は大きな影響を受けました。休館などの制限解除後も、施設利用人数の制限など、これまでのような活動が未だ行えていない状況です。
 このような状況にある文化芸術活動を支援する取組みとして、新たに文化振興基金を活用し、市民の皆様の活動への助成を行います。また、舞台芸術鑑賞会や地域コンサートの開催、各種子ども大学の開校など、文化芸術の鑑賞や参加・発表の機会の充実を図ってまいります。


(4)地域コミュニティ、防犯・交通安全
 次に、分野11から15のうち、地域コミュニティ、防犯・交通安全など、主に市民協働に関する取組みについてご説明いたします。
 市民協働のまちづくりでは、昨年、感染症拡大の影響により中止となった協働提案事業「みずほ台の日」について、改めて本年の開催に向け取り組み、駅周辺の商店街を含めた地域コミュニティの醸成を図ります。
 また、市制施行50周年記念事業については、市民アイデアの募集や、新たな時代を担う若者たちで構成するステークホルダーミーティングなど、市民の皆様からのご提案をカタチにし、本市の半世紀の歩みを振り返るとともに、未来に向け、市全体が盛り上がる記念事業の準備を行ってまいります。
 防犯対策では、犯罪を未然に防ぐ環境の整備として、地域による防犯カメラの設置に対する補助や自主防犯組織への必要な支援を行い、地域の力を活かした市民協働による安全で安心なまちづくりを進めてまいります。


(5)土地利用、道路、環境、公園・緑、住環境
 次に、分野16から24のうち、主に都市基盤と生活・自然環境の整備についてご説明いたします。
 昨年7月に埼玉県の産業誘導地区に選定されましたシティゾーンについては、埼玉県企業局が造成工事に係る設計に着手しました。本市の成長の核となる産業団地の整備に向け、引き続き埼玉県企業局との連携や、周辺の交通環境の整備に取り組んでまいります。
 同じく成長のエンジンである水谷柳瀬川ゾーンについては、地区内の都市計画道路である富士見橋通線や接続する水子鶴馬通線の交通環境の整備と、水谷調節池の周辺整備に向けた取組みを進め、新たな産業の誘致と雇用の創出に向け、関係機関との協議を行ってまいります。
 公園整備では、パークゴルフ場やバーベキュー場などの施設を中心とした、びん沼自然公園の再整備に着手し、スポーツ・レクリエーションなどを通じ多世代が楽しめる交流拠点とします。
 また、本市の貴重な財産である湧水と斜面林は、私たちに、「うるおい・やすらぎ・いやし」を与えてくれる存在です。この豊かな自然環境の活用を図るため、湧水と緑の活用基本方針を策定し、身近に感じられる水と緑のネットワーク整備に取り組みます。
 都市の骨格となる道路については、都市計画道路などの主要な幹線道路をはじめ、身近な生活道路についても整備を推進し、交通利便性や居住環境の向上を図ります。また、本市の玄関口である鶴瀬駅の土地区画整理事業では、現在、東口駅前広場の整備を進めており、早期完成に向け引き続き取り組んでまいります。
 環境保全への取組みでは、温室効果ガス削減のため、次世代自動車の購入や再生可能エネルギー機器の設置に対する補助を継続するとともに、国が推進するカーボンニュートラル、脱炭素社会の観点も踏まえ、取り組んでまいります。
 また、増加する空家の対策については、これまで、空家所有者への個別訪問や除去等に係る補助制度の創設などの取組みにより、倒壊の危険性の高い空家の取り壊しに繋げることができました。今後も、これらの取組みを継続するとともに、新たに、空家の発生を抑制し空家の利活用を促進する取組みとして、移住・定住促進補助事業を創設し、良好な生活環境の維持に努めてまいります。


(6)商工、農業
 次に、分野25から27のうち、主に商工、農業など、市内産業への支援についてご説明いたします。
 商業の活性化では、現在策定している第3次商業活性化ビジョンに基づき、新たな活性化施策に取り組むことで、市内の消費拡大につなげてまいります。
 市内事業者の支援については、新たに経営の専門家から成る「GO(ゴー) DREAM(ドリーム)プロジェクト」を立ち上げ、経営に係る相談やコンサルティングを行い、市内事業者の課題解決や新規創業者の出店支援につなげてまいります。
 農業振興については、農地の集積・集約化を推進するため、下南畑地域の「ほ場整備」を継続して実施するとともに、新たに上南畑地域の一部での実施に向け、関係者との協議や調査などを行ってまいります。
 また、引き続き産業振興基金を活用した事業者への支援や地産地消の推進を図り、商・工・農の全ての産業を支援し、地域経済の活性化に取り組んでまいります。


(7)治水、危機管理
 次に、分野18と29、治水、危機管理についてご説明いたします。
 危機的事案に迅速かつ的確に対応できる体制づくりのため、令和3年度組織改正において、危機管理監を単独で配置するとともに、新たに危機管理課を設置いたします。
 一方で、台風や局地的豪雨などの自然災害への対策においては、事前の十分な備えが重要となります。
 その具体的な取組みとして、前谷排水機場の機能強化や浸水の危険性のある地域を中心とした浸水対策を引き続き実施します。また、老朽化の進む排水施設やポンプ場、樋管などを適切に維持・管理するため、施設の長寿命化計画を策定し計画的な整備を行います。
 併せて、自助・共助による地域防災力の向上を図るため、自主防災組織における防災リーダーなどの人材育成に引き続き取り組みます。
 令和3年度は本市が中心となり、ふじみ野市、三芳町と合同で、入間東部地区合同防災訓練を実施する予定です。この防災訓練では、本市に特徴的な災害である浸水被害への対策を中心に、広域的な連携を前提とした訓練の実施を検討してまいります。


(8)シティプロモーション、総合行政
 最後に、分野28と30、シティプロモーションと総合行政についてご説明いたします。
 総合行政のうち、財政運営において課題となる公共施設マネジメントについては、本年度に策定する公共施設の総合管理方針や個別施設計画を踏まえ、計画的に施設の再編や長寿命化に取り組んでまいります。
 また、職員の人材育成については、多様化する行政課題に対し、「自分ゴト」として考え、改善意識やコスト意識を持ち取り組む人材の育成を行うとともに、コミュニケーション力を強化することで、組織全体の力を高めてまいります。
 こうした市役所機能の強化を行う一方で、近い将来、本市においても人口減少は避けられない見込みとなっております。
 そのような変化の中でも、「住んでみたい、住み続けたい…選ばれるまち」として成長を継続するため、職員一丸となってシティプロモーションを推進し、新たな賑わいの創出を図ります。
 第6次基本構想・第1期基本計画に掲げるこれらの分野における施策にしっかり取り組むことで、本市の理想の未来である「充実した日々」を実現してまいります。


4 令和3年度予算の概要

 令和3年度予算は、新型コロナウイルス感染症の影響により厳しい編成となりましたが、新たにスタートを切る第6次基本構想に掲げる理想の未来の実現に向け、第1期基本計画に掲げた施策を着実に推進するとともに、引き続き新型コロナウイルス感染症の感染対策に取り組む予算を編成いたしました。
 予算の総額は、357億4,858万円で、前年度対比8億2,323万1千円の減、率にして2.3%の減となっています。
 市税については、新型コロナウイルス感染症の影響により、給与所得の減収に伴い個人市民税が減となったほか、事業収入が大きく減少した中小事業者等の固定資産税や都市計画税の軽減などにより、前年度対比14億3,829万8千円減の総額141億8,426万8千円となり、9年ぶりに前年度を下回る税収規模と見込んでいます。
 地方交付税については、市税の減に伴う基準財政収入額の減や地方財政計画の動向などを踏まえ、前年度対比1億円増の28億5千万円、地方消費税交付金については、前年度対比2億4千万円減の18億円を見込んでいます。
 また、地方特例交付金につきましては、固定資産税等の軽減措置に係る減収補填として、前年度対比7億6,830万円増の8億7,630万円を見込んでいます。
 市債については、将来の世代に引き継ぐ財産として、昨年に引き続き、びん沼自然公園や鶴瀬駅東口駅前広場、シティゾーンの幹線道路の整備費などに係る借入れのほか、臨時財政対策債を含め、前年度対比2億650万円減の38億6,150万円となっています。
 なお、繰入金については、財政調整基金などから10億1,787万1千円の繰り入れを行っています。


5 結びに

 1980年5月、WHOは地球上からの天然痘根絶を宣言しました。天然痘は、人類史上初めて、そして唯一根絶に成功した感染症です。
 18世紀の終わり、英国の医師エドワード・ジェンナーは、研究と実験を繰り返し、種痘(しゅとう)法(ワクチン接種)の開発に成功、人類初のワクチンである天然痘ワクチンが誕生しました。このワクチンという言葉については、ジェンナーの研究に用いられた()(うし)をラテン語で「VACCA(ヴァッカ)」、英語の「VACCINE(ヴァクスィーン)」となり、今日のワクチンの語源となりました。
 我が国にも、天然痘との戦いに命を懸け、私財を投じ、社会の理解と種痘(しゅとう)の普及に奔走した人物がいます。江戸時代、医師の緒方(おがた)(こう)(あん)や福井藩の町医者・笠原(かさはら)良策(りょうさく)です。彼らの取組みにより、種痘(しゅとう)は各地に普及し、多くの人々を天然痘から救うこととなりました。
 特に、笠原(かさはら)良策(りょうさく)については、多くの苦難に見舞われながらも種痘(しゅとう)の普及に尽力し、その苦闘の様子は、吉村(よしむら)(あきら)の著書「雪の花」に描かれています。
 物語のクライマックスは、笠原(かさはら)良策(りょうさく)が真冬の京都を発ち、険しい雪山の峠越えなど、6日間をかけて福井藩に痘苗(とうびょう)(ワクチン)を持ち帰る場面です。
 痘苗(とうびょう)を運ぶことは、多くの困難が想定されたため、その準備は周到に行われました。当時、痘苗(とうびょう)を最も確実に運ぶ方法は、人から人へ植え継ぐ方法と考えられていました。痘苗(とうびょう)を運ぶため、二人の子どもに種痘(しゅとう)を施し、痘苗(とうびょう)を絶やさぬよう、さらに二人の子どもを雇い、痘苗(とうびょう)を持ち帰ったとされております。まさに、種痘(しゅとう)を施した子どもたちによる「命のリレー」でした。この命のリレーは、笠原(かさはら)良策(りょうさく)の努力はもちろんのこと、何よりも子どもたちや両親の協力があったからこそ、成就いたしました。
 しかし、この過酷な条件のもと運ばれた痘苗(とうびょう)にもかかわらず、藩内では西洋医学への理解を得ることが進まず、蘭方(らんぽう)種痘(しゅとう)を排除するなどの抵抗により、種痘(しゅとう)を受ける子どもたちは現れず、痘苗(とうびょう)が絶たれる危機にさらされました。
 しかしその後、福井藩主の松平(まつだいら)(しゅん)(がく)は、笠原(かさはら)良策(りょうさく)の訴えを聞き入れ、組織的な種痘(しゅとう)の運営体制づくりとして、直ちに全体統括リーダーや藩の医者の明確な役割分担を行い、新たに種痘(しゅとう)施設である「除痘館(じょとうかん)」を開設しました。
 私たちは、この先人による感染症との苦難の戦いを顧み、その業績から多くのことを学びました。大切なことは、ワクチン接種に係る体制をしっかりと準備すること、市民の皆様にワクチン接種の重要性の理解を深めていただくことです。
 そして、今まさに、我々は人類の英知を傾け開発された新型コロナウイルス感染症のワクチンを手にします。全ての市民の皆様にワクチンを接種していただくことで、集団免疫ができ、生命・健康へのリスクの軽減や、逼迫する医療体制への負担軽減を図ることが可能となります。
 一方で、ワクチン接種の効果や副反応について、ご心配があることも承知しております。ワクチン接種により得られる利益と、副反応の不利益を比較することとなりますが、国内において承認を予定されているワクチンは、既に先進諸外国において、接種による利益が副反応の不利益を上回っております。今後、市民の皆様に、こうした事実を正しく理解していただけるように、確かな情報提供と万全の体制をもって信頼に応えてまいります。
 令和3年は、我が国にとっても歴史的に大きな意味を持つ1年となります。ワクチン接種は11万2千人の全ての市民の皆様の命と健康を守るため、私たち富士見市にとっても重要な事業となります。この取組みに万全の体制を整え、関係機関と強固な連携を図り、安全に安心してワクチン接種が受けられるよう、全庁を挙げて取り組んでまいります。
 併せて、令和3年度当初予算の実行をもって、市政発展のため全力で取り組んでまいりますので、市民の皆様並びに議員各位におかれましては、なお一層のご理解とご協力を賜りますようお願いを申し上げ、私の令和3年度施政方針といたします。

令和3年2月9日
富士見市長 星野 光弘


施政方針PDF版

お問い合わせ

政策企画課

〒354-8511 埼玉県富士見市大字鶴馬1800番地の1 市庁舎2階

電話:049-251-2711(内線230・232・234)

ファックス:049-254-2000

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