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教育行政方針

最終更新日:2023年2月21日

 教育委員会が新年度の教育行政の執行にあたり、教育行政運営の基本方針を示したもので、毎年第1回市議会定例会にて教育長が表明します。

令和5年度 富士見市教育行政方針

はじめに

 昨年を振り返りますと、学校行事などの体験活動が再開し始めたほか、やなせ川いかだラリーや水子貝塚星空シアターなどのイベントが3年ぶりに開催されるなど、市民の皆様の笑顔で楽しむ姿が戻り始めた1年でありました。
 また、市制施行50周年記念事業として実施した、児童生徒による50年後の富士見市をテーマとした作品展や青少年の主張大会などを通して、教育に関する現在の取組みの積み重ねが子どもたちの将来をつくることや、自ら進んで手を挙げ、チャレンジする大切さを改めて実感いたしました。
 令和5年度は、第3次富士見市教育振興基本計画がスタートいたします。これまでの施策を引き継ぎつつ、新たな取組みに積極的に着手し、市長部局と連携しながら、着実に計画を推進してまいります。
 それでは、今後めざすべき施策の方向性に沿って、令和5年度の教育行政方針を申し上げます。

1 学びあい、高めあい、夢と希望をはぐくむ教育の推進

 1つ目の柱、学びあい、高めあい、夢と希望をはぐくむ教育の推進について申し上げます。
 小・中・特別支援学校では、持続的な学校運営ができるよう、新型コロナウイルス感染リスクの低減を図りながら、教育課程の着実な実施に重きを置き、子どもたち一人ひとりを認め、励まし、ほめる教育を行うことにより、夢と希望をはぐくむ教育を推進いたします。

(1)児童生徒一人ひとりに応じたきめ細やかな指導による学力の育成
 まず、児童生徒一人ひとりに応じたきめ細やかな指導による学力の育成について申し上げます。
 学力の向上につきましては、教師用手引き富士見スタンダードの活用により授業の充実に努めるとともに、若手教員育成指導員の活用をはじめ、学力向上プロジェクトチームなどによる研究や研修の充実などにより教員の指導力向上を図り、主体的・対話的で深い学びとなる授業を展開し、児童生徒の確かな学力を育成してまいります。また、1人1台端末をはじめ、対話的な学習を進めていくための授業支援システムや、個別最適化されたドリル教材を日常的に活用し、友だちとかかわりあいながら、自らの学びを深める児童生徒を育成してまいります。
 外国語教育につきましては、小学校6年生と中学校3年生を対象とした実用英語技能検定受験料の一部補助について、中学校1年生と2年生にも拡大し、目標を持って英語の技能向上をめざす児童生徒を応援してまいります。
 情報教育につきましては、プログラミングを通して創造性をはぐくむSTEM教育を市内全小学校において実施してまいります。また、ICT支援員を引き続き各学校に配置し、教員のICT活用指導力の更なる向上をめざします。

(2)多様性を認めあい、誰一人取り残さない教育の推進
 次に、多様性を認めあい、誰一人取り残さない教育の推進について申し上げます。
 特別支援教育につきましては、通常学級と特別支援学級の交流学習や、小・中学校と特別支援学校の支援籍学習を通し、児童生徒一人ひとりの個性を肯定的に受け止め、豊かな人間性をはぐくむインクルーシブ教育を推進してまいります。また、富士見特別支援学校や特別支援プロジェクトチームの専門性を活かし、児童生徒の特性に応じた支援や教職員の資質向上を図ってまいります。
 また、富士見特別支援学校に配置する看護師を増員し、医療的ケアを必要とする児童生徒への支援体制を拡充します。
 不登校児童生徒につきましては、多様な学びの場を確保し、児童生徒一人ひとりの特性や願いに寄り添いながら、社会的な自立をめざしてまいります。
 教育相談につきましては、教職員研修や巡回教育相談などにより、児童生徒の個々に応じた支援の充実に努めてまいります。また、新たに大学と連携し、専門的知見を活かした教育相談の実施や小学校へのスチューデントサポーターの派遣により体制の強化を図ってまいります。
 「いのち」の授業につきましては、助産師等による「いのち」をテーマとした講演を引き続き全校において実施するとともに、人権教育や道徳教育などと合わせ、自尊感情を高める教育を包括的に推進します。
 多様な児童生徒への支援につきましては、性の多様性を尊重し、お互いに認めあう教育を推進してまいります。
 いじめ防止対策につきましては、いじめのない学校づくり子ども会議における話合い等を踏まえ、ネットいじめ防止のための具体的な取組みを各学校において展開します。
 「特別の教科 道徳」におきましては、主体的に学習する場の創出や自己の成長を感じられる評価を全校で実施するとともに、富士見市独自の道徳教材を活用し、豊かな心の育成に努めてまいります。
 小中一貫教育につきましては、小中一貫教育支援員の成果等を検証するとともに、中学校教員による小学校への乗り入れ授業の継続や、義務教育9年間を見通したカリキュラムの作成に取り組んでまいります。
 教育の機会均等につきましては、経済的な理由で教育に要する費用の一部援助を受けている世帯に対し、オンライン学習に係る通信費用の一部を助成します。

(3)自らの健康・安全を守る資質・能力と健やかな体の育成
 次に、自らの健康・安全を守る資質・能力と健やかな体の育成について申し上げます。
 児童生徒の体力向上につきましては、本市の課題である「敏捷性」を高めるため、体力向上推進委員会における授業研究会や縄チャレの推進などにより、運動好きな児童生徒の育成に努めるとともに、大学等と連携し、児童生徒の体力向上について、科学的・技能的な見地から研究してまいります。
 児童生徒の歯科保健指導につきましては、学校歯科医や歯科衛生士による歯みがき指導などを引き続き全校で実施いたします。
 安全教育につきましては、学校応援団や地域の皆様の協力を得ながら、学校や警察、関係各課と連携して通学路合同安全点検を実施し、児童生徒が安全に登下校できるよう指導・支援してまいります。また、防災教育につきましては、児童生徒が主体的に自他の命を守ることができるよう取り組むとともに、学校・地域が連携し、非常時には地域の一員として力を発揮できるよう意識づけを図ってまいります。
 学校給食につきましては、調理業務等の委託化や学校給食費の公会計化により、今後も安全・安心な学校給食を安定的に提供してまいります。また、中長期的な視点から学校給食センターの建替えについて検討してまいります。

(4)地域の教育力を生かし教育効果を高める学校教育の推進
 次に、地域の教育力を生かし教育効果を高める学校教育の推進について申し上げます。
 学校・家庭・地域の連携につきましては、特色ある学校づくりをさらに推進するため、学校運営支援者協議会のコミュニティ・スクールへの移行について検討します。
 教職員の働き方改革につきましては、スクール・サポート・スタッフの配置のほか、業務改善検討委員会における研究の成果を活かし、子どもと向き合う時間の確保に努めてまいります。また、部活動の在り方に関する検討のほか、ICTの更なる活用による教職員の負担軽減について検討します。
 学校施設につきましては、市内小・中・特別支援学校6校の体育館への空調設備の設置をはじめ、ふじみ野小学校トイレ改修工事や富士見特別支援学校体育館棟大規模改修工事のほか、令和6年4月の供用開始を目指し、水谷小学校校舎の増築工事を行います。

2 学びあう地域社会をめざす教育の推進

 2つ目の柱として、学びあう地域社会をめざす教育の推進について申し上げます。
 誰もが主体的に学習でき、学びの成果を分かちあうことで、ともに育ち、活力ある地域社会となるよう社会教育を推進してまいります。

(1)家庭・地域の教育力の向上
 まず、家庭・地域の教育力の向上について申し上げます。
 家庭教育の支援につきましては、子育て世代の保護者を対象とした学習会のほか、仲間づくりや情報交換のための居場所づくりを進めてまいります。また、地域子ども教室や青少年関係団体などの活動の支援を通して、子どもの居場所づくりや青少年の健全育成に努めてまいります。

(2)生涯にわたる学習機会の提供と地域づくりの推進
 次に、生涯にわたる学習機会の提供と地域づくりの推進について申し上げます。
 子ども大学☆ふじみにつきましては、子どもの知的好奇心を刺激し、自ら学び考える力を伸ばす講座や、郷土愛をはぐくむ魅力ある講座を実施してまいります。
 家庭学習応援事業につきましては、これまでの成果等を踏まえ、児童生徒の基礎学力の向上や家庭学習の習慣化のほか、学校以外の居場所づくりを進めてまいります。
 人権・平和教育につきましては、お互いを認め、多様性を尊重しあえる地域社会をめざし、人権問題に関する教育や啓発に努めてまいります。また、戦争体験の記憶を後世に引き継ぐための取組みを進めてまいります。
 公民館におきましては、学びを通した地域づくりの核となる施設として、様々な世代に対応した事業を実施してまいります。
 鶴瀬公民館では、50回目を迎える子どもフェスティバルを記念して、子どもたちからキャラクターを募集するほか、市民演劇のつどいや和太鼓まつりなど、鶴瀬コミュニティセンターホールを活用した事業を開催し、市民の文化創造活動を支援します。
 南畑公民館では、子育てサロンちびっこあおむしなどの子育て支援事業のほか、怪皆亭やわくわく子ども体験室などの子ども向け事業を実施してまいります。また、なんばた青空市場や南畑ふるさとまつりなど地域の交流や賑わいにつながるイベントを支援します。
 水谷公民館では、お母さんのステップアップ講座や親子フレンドパークなど、子育て学習支援事業の充実に努めてまいります。また、水谷文化祭をはじめ、利用サークル・団体の日頃の学習成果を発表する機会の拡充に取り組みます。
 水谷東公民館では、ボッチャ体験会を実施するほか、高齢者等のスマホ教室などデジタル活用の支援に努めます。また、やなせ川いかだラリーの開催や、町会や地域まちづくり協議会などの活動を支援します。
 各館共通の課題といたしまして、Wi-Fi環境を活用した新たな事業展開や、利用しやすい公共施設予約システムの更新などについて検討を進めることで、公民館に多様な人が集い、新たなつながりづくりや交流ができるよう取り組んでまいります。

(3)暮らしとまちづくりに役立つ読書活動の推進
 次に、暮らしとまちづくりに役立つ読書活動の推進について申し上げます。
 図書館におきましては、地域の情報拠点として幅広い市民ニーズに対応した資料を収集するとともに、電子書籍の充実と利用促進に努めてまいります。また、マイナンバーカードや携帯端末を図書館利用カードとして活用することにより、多くの方に図書館を利用していただけるよう取り組んでまいります。
 子どもの読書活動につきましては、令和5年度から始まる第4次富士見市子ども読書活動推進計画に基づき、「みんなで育てる 本で育てる」を合い言葉に、乳幼児から小・中・高校生に至るまで、読書に親しむ機会の提供などを通して、子どもたちの読書習慣づくりや図書を活用した学習の支援などに取り組んでまいります。

(4)郷土遺産の継承
 次に、郷土遺産の継承について申し上げます。
 市の貴重な文化財を広く知っていただくための取組みとして、郷土芸能の動画配信の充実や、公共施設や商業施設における展示の継続的な実施などにより、文化財の魅力を発信する「見せる化」に努めてまいります。また、令和4年度に市文化財として指定した難波田城跡土塁や、発掘調査で出土した貴重な資料など、郷土遺産の適切な保護と活用について検討してまいります。
 資料館におきましては、史跡水子貝塚整備基本計画を策定いたします。また、資料館の前身である考古館の開館から50周年を迎えることから、水子貝塚資料館と難波田城資料館の両館において、これまでの歩みを振り返る合同企画展を開催いたします。

(5)開かれた教育委員会
 次に、開かれた教育委員会について申し上げます。
 教育委員会会議等の活性化につきましては、教育委員による学校や教育施設への訪問等により、教育上の課題を把握し、教育行政への反映に努めるとともに、市ホームページを通して、教育委員活動の見える化に努めます。

おわりに

 明治時代の実業家、渋沢栄一が「夢七(ゆめしち)(くん)」として次の言葉を残しています。
 ・夢なき者は理想なし
 ・理想なき者は信念なし
 ・信念なき者は計画なし
 ・計画なき者は実行なし
 ・実行なき者は成果なし
 ・成果なき者は幸福なし
 ・ゆえに幸福を求むる者は夢なかるべからず
 幸福を実現させるためには、まずは夢を持つことが大切であることを説くものです。子どもたちをはじめ市民の皆様一人ひとりが夢を持ち、夢の実現に向けた希望をはぐくみ、周囲の人々に支えられながら、夢に一歩一歩近付くための教育行政を推進してまいります。
 引き続き、市民の皆様や議員各位のご理解とご協力をお願い申し上げまして、令和5年度の教育行政方針といたします。

教育行政方針PDF版

お問い合わせ

教育政策課 総務企画グループ

〒354-0021 埼玉県富士見市大字鶴馬1873番地1(中央図書館2階)

電話:049-251-2711(内線611・612)

ファックス:049-255-9635

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