No,23・・・市内の地名[1]

生涯学習課 内線637

富士見市の名は昭和31年に鶴瀬・水谷・南畑の三村が合併した富士見村からきており、富士山のすばらしい眺めに由来します。時代とともに地名は変わりますが、そこには土地の風俗を表したり、民俗的要素が込められていたりします。

【鶴馬】

明治22(1889)年の村制施行の際に鶴瀬村の名の由来となったのが、鶴馬と勝瀬の両村名です。この「鶴馬」の名は、永禄2(1559)年『小田原衆所領役帳』に「上田左近 百七拾貫文 入東鶴間村 乙卯検地」と記され、古くは「鶴間」の文字があてられています。現在の「鶴馬」の字があてられるようになったのは、正保3(1646)年に当時の旗本・宮崎備前守が検地の時、相模国(神奈川県)にも同じ鶴間村があることから、「鶴馬」に改めたと伝えられています。「鶴間」の地名の由来には諸説あり、そのひとつには鶴間のツルに「水流」の文字をあて、マは"狭間"を意味する。つまり水が流れている狭間を表しているという説。また「津留」の文字をあて、"流れが滝のようになって落ちる手前の平坦な水をたたえたようす"を、マは"場所"を表すという説もあります。その字のとおり鳥の鶴と関係する地名かもしれませんが、鶴馬は古くから七沢八寺の言葉で表されるように、小さな河川が武蔵野台地を浸食しながら流れる起伏に富んだ土地です。急な斜面では豊富な水が湧き出している所もあったでしょう。このことから"水が流れる(湧き出す)場所"という由来も十分にうなづけます。

小田原衆所領役帳

「小田原衆所領役帳」より一部抜粋

【勝瀬】

『小田原衆所領役帳』にも「勝瀬孫六 四拾三貫文 入東郡勝瀬之村」とあり、『新編武蔵風土記稿』には「北条役帳に勝瀬孫六 四拾三貫文 入東郡勝瀬之村の内とあれば、勝瀬氏世々此所を采地となし、因て得たる村名にや、又、地名をもて称号とせしか何にも古き名なるべし」と記されています。つまり勝瀬の地名が先か、勝瀬氏の名が先かということですが、さらに古い記述には、榛名神社の棟札に文明9(1477)年4月10日再築入東郡勝瀬之村とあり、少なくともこの地を領していた勝瀬氏がその名を称する以前にこの地名があったと思われます。その由来が土地の地形を含めた特徴からきたものであるとすれば、新河岸川に沿った地であることから、川の瀬からついた地名と考えることが妥当で、「勝」は好字をあてたのではないかとされています。

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